当社は、気候変動課題を重要な経営課題と認識しており、TCFD提言への賛同を表明しております。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の考えに基づき、気候変動課題がどう事業活動に影響を与えるか検証を進めています。
当社では、気候変動課題を含めた環境・社会に係るサステナビリティ経営について代表取締役傘下のサステナビリティ委員会において基本方針を策定し、マテリアリティを特定しました。今後、サステナビリティ委員会ではリスクと機会や目標設定を協議・審議していきます。サステナビリティ委員会で協議・審議した事項を少なくとも年1回以上取締役会へ報告し、取締役会で審議・決議します。その後、サステナビリティ部会では具体的な活動を企画、立案、管理し、推進していきます。
当社は、サステナビリティ活動を持続的かつ体系的に推進し、「中期経営計画 2022~2024」(2021年11月24日公表)に掲げるESGやSDGsを重視した経営を推進する為、代表取締役の下にサステナビリティ委員会を設置しております。本委員会は、気候変動を含むサステナビリティ推進活動などに関する協議・審議を行い、取締役会に報告や提言を行います。本委員会は、代表取締役会長を委員長とし 、代表取締役社長、代表取締役専務、常務取締役によって構成されております。
当社は、気候変動を含めた全社的なサステナビリティ活動を推進する為、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ部会を設置しております。本部会は、気候変動を含むサステナビリティ推進活動の企画、立案、管理をし、定期的にサステナビリティ委員会への報告を行い、推進していきます。
当社は、気候変動に関連する当社事業へのリスクと機会を分析しています。分析にあたっては下表に記載したシナリオを想定して行っています。
シナリオ分析の対象となる事業は「情報システム事業」と「制御システム事業」の2事業です。「情報システム事業」は当社において主要な事業領域であり、売上に占める割合が大きく、「制御システム事業」は当社子会社で遊技機の製造・販売まで行っており、両事業とも世界的な脱炭素化への動きに対して影響を受けやすいことからシナリオ分析の対象事業として選択しました。
温度 シナリオ |
参照 シナリオ |
概要 |
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2℃以下シナリオ | NZE,SDS(IEA) RCP2.6(IPCC) |
持続可能な世界に向けて、積極的に気候変動に関わる政策が実施されることを前提としたシナリオ。低炭素社会に移行していくにあたり炭素排出コストや、電力価格の支出が増加することが想定される。 |
4℃シナリオ | STEPS(IEA) RCP8.5(IPCC) |
現在公表されている政策のみが達成される気候変動対策が積極的でないことを前提としたシナリオ。移行リスクは限定的と想定される一方で、物量リスクは顕在化し、対応に関わる支出、被害による損害が発生する可能性がある。 |
移行リスク・物理リスクに分けてリスク(支出の増加、収益の減少につながるもの)・機会(支出の減少、収益の増加につながるもの)を評価・分析しています。
移行リスクは低炭素社会に移行していくことにより生じるリスク・機会で2℃以下シナリオの影響が大きくあると想定されます。一方、物理リスクは気候変動が今以上に深刻化した際に起きるリスク・機会で4℃シナリオの影響が大きくなると想定されます。
4℃シナリオにおいては、異常気象の激甚化が予想される世界観において洪水被害や営業停止など物理リスクの影響が大きく、移行リスクの影響は軽微という試算結果となりました。
2℃以下シナリオにおいては、物理的リスクの影響があるものの4℃シナリオと比較すると影響は小さいという試算結果となりました。その他、本シナリオでは移行リスクとしてIEA WEO2021による予測パラメータでは炭素税が増加、IEA WEO2019による予想パラメータでは再生可能エネルギーの普及により電力価格が上昇するとの予測があり、その影響により支出が増加するものと想定しています。
しかし、両シナリオそれぞれにおける影響額の合計は当社の営業利益に占める割合は5%未満であり、事業活動における影響は軽微であると判断しています。
リスク影響による支出増加を最小化するために太陽光システムを導入し炭素税・排出権取引に関わる支出の削減を行うなど、対応を進め今後範囲を拡大していきます。
当社は、気候変動に関するリスクについて はサステナビリティ委員会主導のもと、サステナビリティ部会が事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。リスクは、各部門の気候変動に関するリスクの洗い出しを行った上で特定 、重要度の優先順位付けをし、ルール、基準等の策定とその他リスクの予防、回避のために有効と思われる施策についての検討、実施をしていきます。リスクを特定後、サステナビリティ委員会で影響度合いを評価した上で、取締役会に報告を行います。気候変動に関する事項は、取締役会の監督・指示のもと、継続的にモニタリングを行っていきます。
当社は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けての目標を現在策定しています。そのため環境に配慮した製品や再生可能エネルギーの利用によるCO2排出量の削減を実現し、排出量の継続的なモニタリングを実施して参ります。2021年4月~2022年3月までのScope1・2の排出量は下記になります。
種別 | 条件 | t-CO2 |
---|---|---|
Scope1 | - | 385.584 |
Scope2 | マーケット基準 | 1,209 |
ロケーション基準 | 1,315 |