当社グループは、創業以来、「パチンコファンが喜ぶこと」を発想の原点としており、アミューズメントの世界において誰もが楽しめる新しいシステムやサービスの開発にチャレンジしてきました。
今後も独自の発想と技術力でコンピュータを中心に時代の変化を読みとり、ニーズを先取りする市場創造型の製品を提案し続けることによって、社会へ貢献していくことを基本方針としております。
また、ブランド力の向上により、顧客からの支持を強めることが、企業として継続的な業績発展につながるとの考えから、『顧客からの支持は、継続的業績発展につながる』を当社グループの企業品質方針として掲げ、企業活動を行っております。
当社グループは、経営の効率化、高付加価値化を推し進めることにより収益力を高めることが、企業価値・株主価値を向上させることであると考え、売上高営業利益率を重要な経営指標としております。
パチンコ業界を支援する情報システム企業として、業界の新しい成長を生み出す、どこよりも優れた情報インフラを提案していくことが当社グループの使命と考えております。
そして、ファン層の拡大(集客)こそが業界全体の発展につながるとの信念を持ち、パチンコホール、遊技機メーカーとパチンコファンを信頼で結び、三者が共に利益と満足を得るビジネスを構築してまいります。
そのために、全国のパチンコホールに対しては、遊技機の有効活用、パチンコファン集客のためのホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の提供やネットワークサービスにより、企業経営・店舗運営を支援する一方、遊技機メーカーに対しては、より魅力のある表示ユニットや制御ユニットを提案し続けてまいります。
また、パチンコファンに対しては、スマートフォン及びインターネット向け情報サービスをさらに強化し、より一層有用なホール情報を提供してまいります。
当社には、大きく2つの事業があります。
「パチンコホール・遊技ファン向け事業」ではパチンコ・パチスロホール向けに設備機器の開発・製造・販売を行い、パチンコ・パチスロ遊技ファン向けにデータ閲覧スマホサービスを行っております。
「遊技機メーカー向け事業」ではパチンコ・パチスロ遊技機の表示・制御ユニットなどの開発・製造・販売を行っております。
ホール経営用のコンピュータ
遊技ファン用のデータ表示機
ホール周辺設備
ホール経営支援サービス
遊技ファン用のデータ閲覧スマホサービス
基本動作を司るハードウェアとそれに搭載されるプログラムから構成され、パチンコ遊技機の心臓部といえます。
パチンコ遊技機のゲーム内容を表現する部分で、ハードウェアとそれに搭載されるプログラムから構成されます。
遊技機市場の
変化に対応した
企画開発
映像制作・
プログラミング
品質管理
(デバッグ・
検査)
表示用ユニット
制御用ユニット
の提供
遊技機メーカー
1974年に業界で初めてパチンコホール経営用コンピュータをリリース。
それから50年。現在当社のホールコンピュータをお使いいただいているホール店舗数は、全国7,665店舗のうち約3000件(シェア率38.7%)、市場にある遊技台351万台のうち171万台(シェア率48.7%)とつながっています。大型店舗への導入が多いため、台数シェアが高くなっています。
また今では当たり前になったデータ公開機器も、当社が業界で初めてリリースしました。近年では標準設備となっている大型液晶ランプや最新のワンストップセルフPOS等もいち早くリリースし、リーディングカンパニーとして常に業界をけん引しています。
当社のサーバーには、全国356万台のうち、毎日141万(約40%)の台データ(DK-SIS)が送られており、全国7,665店舗のうち毎時4,300店舗(56.1%)の客数データ(Market-SIS)を取得しています。
また、遊技ファン向けのデータ公開サービス(データロボサイトセブン)では40万人のファンと繋がり、サイトへのアクセス数やPV数によりファンの動向分析を可能としています。
このように、業界随一のビッグデータを保有することにより様々なランニングサービスをホール様やファンに提供し、ストックビジネスとして安定した経営基盤を構築しています。
※2022年度サービス売上64.7億
当社グループは、「イノベーションによる新しい価値づくりを通じ、これからも一貫して持続的な成長を果たしてまいります。」という経営理念のもと、事業活動を通じて社会課題を解決し、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現とグループの成長を目指しています。
2022年3月に掲げた5つのマテリアリティ「地球環境への貢献」「人材活躍の推進」「イノベーションによるソリューション提供」「依存症への対応」「ガバナンスとコンプライアンスの強化」のもと、積極的にSDGs活動を推進しています。
当社の会員制情報サービス「DK-SIS」及び警察庁発表資料をベースに業界環境を解説します。
2022年の店舗数は、7,665店舗となり、店舗数の長期にわたる減少傾向が続いています。遊技機設置台数も同様に減少傾向が続いています。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
パチンコホール数 | 10,060 | 9,639 | 9,035 | 8,458 | 7,665 | -9.4% |
内パチスロ専門店数 | 929 | 892 | 832 | 768 | 611 | -20.4% |
パチンコ遊技機・パチスロ遊技機別の遊技機設置台数は、2021年と比較してパチンコは約6%の減少、パチスロは約8%の減少とパチスロの方が減少率が大きくなっています。
店舗あたりの遊技機設置台数を見ると、465台と2021年と比較して14台増加しており、店舗の大型化が続いています。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
遊技機設置台数(万台) | 430 | 420 | 400 | 381 | 356 | △6.6% |
パチンコ遊技機(万台) | 264 | 256 | 243 | 234 | 220 | △5.7% |
パチスロ遊技機(万台) | 166 | 164 | 157 | 147 | 136 | △7.9% |
店舗あたり(台) | 428 | 435 | 443 | 451 | 465 | 3.1% |
2022年のパチンコ遊技機1台あたりの業績は2021年と比較して稼動時間は微増、粗利は約12%の大幅上昇となりました。
粗利こそコロナ禍直前の2019年と同程度まで回復したものの、時間粗利高騰がその原因であり、手放しで喜べる状況ではありません。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
稼動時間(時間) | 3.5 | 3.4 | 2.7 | 2.7 | 2.8 | 3.7% |
売上(円/日) | 15,212 | 14,792 | 12,337 | 13,535 | 15,204 | 12.3% |
粗利(円/日) | 2,513 | 2,442 | 2,008 | 2,196 | 2,464 | 12.2% |
時間売上(円/時間) | 4,350 | 4,330 | 4,570 | 5,040 | 5,410 | 7.3% |
時間粗利(円/時間) | 720 | 720 | 740 | 820 | 880 | 7.3% |
台数シェア(%) | 61.1 | 60.9 | 60.9 | 61.6 | 62.0 | 0.6% |
2022年のパチスロ遊技機1台あたりの業績は2021年と比較して稼動時間は横這い、粗利は下落となり、DK-SIS集計開始後初めて粗利が2,000円を下回りました。
コロナ禍に加えて2022年1月末に旧規則機(5号機)が撤去期限を迎えたことで、特に2022年前半は業績が冷え込みました。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
稼動時間(時間) | 4.5 | 4.5 | 3.7 | 3.7 | 3.3 | △10.8% |
売上(円/日) | 21,250 | 21,422 | 17,386 | 14,558 | 14,174 | △2.6% |
粗利(円/日) | 3,003 | 3,003 | 2,445 | 2,106 | 1,993 | △5.4% |
時間売上(円/時間) | 4,740 | 4,720 | 4,710 | 4,340 | 4,250 | △2.1% |
時間粗利(円/時間) | 670 | 660 | 660 | 630 | 600 | △4.8% |
台数シェア(%) | 38.9 | 39.1 | 39.1 | 38.4 | 38.0 | △1.0% |
業界の市場規模をDK-SISの実データから推測すると、2021年の売上規模は約14.6兆円、粗利規模は約2.38兆円となりました。2022年と比較して売上規模は横這い・粗利規模はわずかに下落となりましたが、コロナ禍直前の2019年と比較するとどちらも70%強と、まだまだコロナ禍の影響から回復したとは言い難い状況です。
パチンコ・パチスロ別に市場規模を見ると、2022年は2021年に引き続きパチンコは売上規模・粗利規模ともに上昇、パチスロは売上規模・粗利規模ともに大幅減少と明暗が分かれています。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
パチンコ | 10.4 | 9.8 | 7.2 | 8.2 | 8.8 | 7.3% |
パチスロ | 10.3 | 10.2 | 7.4 | 6.4 | 5.8 | △9.4% |
売上合計 | 20.7 | 20.0 | 14.6 | 14.6 | 14.6 | 0.0% |
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 対前年比 | |
---|---|---|---|---|---|---|
パチンコ | 1.84 | 1.72 | 1.25 | 1.41 | 1.52 | 7.8% |
パチスロ | 1.54 | 1.52 | 1.10 | 0.98 | 0.86 | △12.2% |
売上合計 | 3.38 | 3.24 | 2.35 | 2.39 | 2.38 | △0.4% |
2022年も新型コロナウイルスの影響でコロナ禍前よりも低調な業績推移となりました。パチンコ・パチスロを合わせた全店業績こそ前年より上昇したものの、店舗数減少には歯止めがかからず、市場規模は売上規模が横這い、粗利規模がわずかに下落となりました。
パチスロの業績は2022年1月の旧規則機撤去の影響が大きく、2021年からさらに下落傾向となりました。一方、パチンコの業績は2021年を上回ったものの、時間粗利の高騰が続いており、ファンの負担がますます大きくなっています。
ただし、2022年の業績は前半と後半で大きく傾向が異なります。パチスロでは6月には6.5号機、11月にはスマートパチスロがそれぞれ登場しはじめ、好業績となる機種も複数登場したことで業績が前年同月を上回るようになり、業績回復の兆しが見られます。一方、パチンコでは2022年後半からパチスロへファンが流出したと考えられ、12月には前年同月の4円パチンコの稼働を下回るようになりました。
2023年以降の業績は、パチスロにおいては好業績となる6.5号機・スマートパチスロが引き続き登場し、さらに業績が回復すると考えられます。また、パチンコにおいては、4月にはスマートパチンコが導入開始となり、Cタイムといった今までにないゲーム性を搭載することで、パチンコファンの増加が期待されます。ただし、スマート遊技機導入や2024年の改刷対応によって設備費がかさむため、店舗の減少傾向は続くと考えられます。
2022年の業界動向を振り返ると、変化が非常に速いスピードで起こっていることがわかります。このような時代だからこそ、当社の「DK-SIS」の保有するビッグデータで現状を把握することは、厳しい現状を乗り切るための重要な鍵となると考えております。
社名 | ダイコク電機株式会社 |
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創業 | 1965年9月 |
設立 | 1973年7月 |
資本金 | 6億7千4百万円(発行済株式数14,783,900株) |
主な株主 | 円谷フィールズホールディングス株式会社、株式会社KCプラス、 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) |
本社 | 名古屋市中村区那古野一丁目43番5号 |
会計監査人 | あずさ監査法人 |
主な取引銀行 | みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行 |
決算期 | 3月31日 |
役員 |
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執行役員 |
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市場 |
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証券コード | 6430 |
関係会社 | 元気株式会社 DAXEL(ダクセル)株式会社 ダイコク電機コミュニケーションPLUS株式会社 アロフト株式会社 株式会社グローバルワイズ |