DK-SIS白書2022_opt_mosaic
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2 2021年の業界考察DK-SISで見る業界動向19過去のデータを見ると、感染の波のピークは後になるほど大きくなっており、第6波のピーク時では日に10万人を超える陽性者数となっている。当パチンコ業界においても、特に業績面においてはコロナ禍前の水準から20%程度下落していることから、非常に大きな影響を受けていることは間違いない。ただし、陽性者数の増加と業績の下落はそれほどリンクしておらず、新型コロナウイルス蔓延による業界への影響はある程度のところで留まっていると言える。第5波のピークを迎える2021年7月から9月にかけて東京オリンピック・パラリンピックが開催された。感染が拡大している最中での開催であったため、ほとんどの会場で無観客となった。過去のオリンピックやサッカーワールドカップ、サミット等世界から要人が集まるような大きなイベント開催の際には、警備への協力という形で新台入替の自粛が行われることが多かった。しかし今回の開催においては新規則機への入れ替えという直前に控えた大きな課題が配慮されたことで、入れ替えの自粛は実施されなかった。オリンピック・パラリンピックが開催された2021年7月から9月の全店稼動時間の推移をコロナ禍前の2019年の推移と比較すると、2021年は年間平均と比較して7月から9月でそれぞれ101%→104%→101%と推移したことに対して、2019年のコロナ禍前は7月から9月でそれぞれ100%→106%→98%での推移となっており、わずかに2021年8月の推移がコロナ禍前を下回ったが、コロナ禍第5波の最中であったことを考慮するとオリンピックの開催による業績への影響はそれほど大きくなかったのではないかと思われる。

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