DK-SIS白書2022_opt_mosaic
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3パチンコで好業績となる機種が多数登場。ゲーム性の進化が進む2021年に登場したパチンコ機の機種貢献データを見ると、稼動貢献週(2021年11.6週・2020年8.0週)・総合貢献週(2021年14.9週・2020年10.1週)ともに2020年と比べて大幅に上昇しており、2021年は新機種の貢献度が非常に高かったと言える。また貢献上位となった機種の貢献データもここ数年の上位機種の貢献データと比較して非常に高くなっており、これらの機種が4円パチンコの業績を牽引したと考えられる(3章2節・3章3節参照)。4パチスロ業績が過去最悪に2021年のパチスロ機1台当たりの業績を見ると、遊技時間2時間57分(対前年-18分)、粗利2,106円(対前年-339円)と、2020年と比較して遊技時間は9%、粗利は14%の下落となった。また20円パチスロを見ると、遊技時間2時間56分(対前年-18分)・粗利2,325円(対前年-394円)となり、こちらも下落幅が目立っている。特に粗利については、20円パチスロの粗利が4円パチンコの粗利を下回っただけではなく、低価貸しを含めてもパチスロの粗利がパチンコの2 2021年の業界考察DK-SISで見る業界動向14好業績機種が多くなった要因として、特にハイミドルタイプで新規則機の型式試験に適合する範囲内での出玉性能の向上が挙げられる。DK-SISでは出玉性能を判断する上で「推測最大MY」(出玉率100%の状態で10時間稼動を想定した場合の最大持ち玉数の平均値)を一つの指標としているが、2020年に登場した機種で推測最大MYが20000個を超える機種が1機種しかなかったのに対して、2021年に登場した機種では20機種近くが20000個を超えており、出玉性能が高まった。出玉性能が上昇した要因の一つとして、出玉速度の向上が挙げられる。出玉速度を判断する上で「T/」(特賞中の出玉率)を一つの指標としているが、この数値も2021年に入って非常に高い機種が多く登場した。また、2020年以前と比較して通常時のベース値が低くなっている機種が増えたことも全体的に推測最大MYが高くなった要因の一つと考えられる。また2021年は4円ライトタイプの機種も好業績となった機種が多く、稼動貢献週・総合貢献週ともに2020年から大きく向上した。上位機種の特徴として、「遊タイム」を搭載した機種が比較的多いことが挙げられる。しかしながらライトタイプの業績自体は2020年より悪化している。これは好業績機種が多く登場したものの導入台数自体が少なかったことに加えて、既存の残っているライトタイプの遊技機の業績が悪いことが要因である。2021年に登場した機種を見ると様々な面で仕組みが複雑化しており、ゲーム性を把握することが難しくなってきている。さらに「遊タイム」や「突然時短」が搭載されていることで、機種のシミュレーションについても一筋縄で行うことできない。2022年以降においても、複雑な機種が数多く登場すると想定されることから、業績の安定している4円パチンコを守るためにも、DK-SISのパチンコシミュレーション等をしっかり活用し、適正な遊技機活用を心がけることが求められる。今後パチンコの業績を維持・向上させることが淘汰の時代を乗り越えていく上で不可欠であると考えられることから、機種の選定、台数の調整、活用方法の見直し等、パチンコの管理について今まで以上に注力することが必要である。粗利と逆転しており、パチスロの粗利確保が難しくなっていることが見て取れる。警察庁発表によるパチスロ機の設置台数は約147万台(対前年-10万台)と約7%減少した。結果としてパチスロ全体での業界総粗利は0.97兆円(対前年-0.13兆円)と大幅な下落となった。2021年はコロナ禍による休業要請が無く、2020年と比較して営業日数が多くなったものの、台数の減少に加えて1台当たりの粗利が大幅に減少したことで、パチスロの粗利規模の大幅な減

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