DK-SIS白書2020_opt_mosaic
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212019年1業界考察DK-SISで見る業界動向  第1章 11 DK-SISの推定による2019年の新台販売台数は約173万台(対前年-2万台)と2018年と比較して横這いとなった。パチンコ・パチスロ別に見ると、パチンコは約115万台(対前年-18万台)・パチスロは約58万台(対前年+16万台)で、パチスロの販売台数が大幅に増加した。しかしながら2019年12月末時点で旧規則機がパチンコで約170万台(市場の約65%)、パチスロでも約120万台(市場の約73%)となっており、これらをすべて新規則機に入れ替えるためには、現状の販売台数ではパチンコ・パチスロともに賄いきれない。特にパチスロでは台数面もさることながら、新規則機の業績が非常に厳しいことから、遊技機を購入してもそのほとんどが償却できず、新規則機への入れ替えに対して閉塞感の漂う状況となっている。 2019年には業界に関係する法令に大きな動きは無かったが、2020年1月にカジノ管理委員会が発足し、カジノ設置に向けて今後「国内で3ヶ所」までと定められている設置場所の選定が進んでいくものと想定される。また2020年4月には健康増進法が全面施行され、パチンコ店においては指定された喫煙場所を除いて「原則禁煙」となる。 現在の業界にとって、「新型コロナウイルス」により営業を自粛せざるを得ない状況となり、業績面への大きな影響は避けられず、「新型コロナウイルス」後を見据えた取り組みが何よりも大きな課題として挙げられる。さらには、2021年1月末までと決められていた「旧規則機完全撤去」について、新型コロナウイルスの影響を鑑みて経過措置が1年程度の延長が決まったものの、今後必ず遵守しなければならないことも大きな課題である。 その中で業績を少しでも復旧させるためには、まず「新型コロナウイルス」後を見据え、経営計画を改めて立て直すことが必要である。さらに、「旧規則機完全撤去」に向けて、新規則機の中でも貢献できる機種の選定が重要となる。特にこれからの数年は業界での生き残りをかけた戦いとなることが想定される。業界でのトレンド変化をいち早く察知し、パチンコ・パチスロの設置比率や設置台数の変更、低価貸し比率の変更等、限られたリソースの中からどこに投資するべきかしっかりと検討した上で柔軟に対応していくことが求められる。

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