DK-SIS白書2019_opt
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212018年タイプ別1業績と遊技環境DK-SISで見る2018年データ  第2章 65 20円ノーマルタイプは、台数シェアがわずかではあるが上昇して、2017年に引き続き20円パチスロ内の台数シェアトップの座を維持している。ただ、業績を見ると、アウトは微減、粗利は下落となった。 20円RTタイプは、台数シェアが拡大したものの、アウト・粗利はともに大きく下落した。これは2018年に登場した機種の業績が芳しくなかったことに加えて、まだ3割ほどの割合を占める「ハナビ」(アクロス)・「バーサス」(アクロス)の業績が緩やかに下落したことも要因となっている。 20円ATタイプは、2018年に6号機が4機種登場したものの、台数シェアが大幅に縮小した。これは、それ以上に「高射幸性遊技機」を中心にした旧規則機の撤去が進んだためである。業績を見ると、アウト・粗利が大きく上昇している。旧規則機の台数減による圧縮効果に加えて、5.9号機の出玉性能にファンが満足できず、旧規則機に人気が集まったためと考えられる。 20円ARTタイプは、アウト・粗利ともに大きく下落しており、粗利の下落幅は全タイプ中で最大となっている。2018年に登場した機種の業績が厳しかったことに加えて、多台数残っている「押忍!番長3」(大都技研)の業績下落が影響したためと考えられる。 20円A+ARTタイプは、20円ARTタイプと同じくアウト・粗利がともに大きく下落した。2018年はARTタイプと比べて2倍以上の機種が登場したものの、そのすべてが業績を残せなかったことでこのような結果となった。 20円30φノーマルタイプ・ART他タイプは、どちらも安定したアウトとなっている。30φノーマルタイプの大部分を占める「ハナハナ」シリーズの業績は、アウトが安定しているものの、時間粗利が抑えられたことで粗利は下落した。一方で、30φART他タイプの大部分を占める「沖ドキ!-30」(アクロス)の業績は上昇している。 10円・5円パチスロは、5円パチスロで台数シェアが縮小している。業績を見ると、アウト・粗利ともに下落している。特にアウトは10円パチスロが20円パチスロを下回っているだけでなく、月別で見ると年末に5円パチスロも20円パチスロを下回ることがあり(第2章1節参照)、低価貸し営業で長く遊技してもらうという意図とは異なる業績となっている。 2018年のパチスロ全体の業績を総括すると、パチンコの業績が長年続いた下落傾向から転じて横這いとなったのに対して、パチスロ全体の業績は前年の横這いから転じて下落となった。前年と同様に「新基準に該当しない遊技機」や「高射幸性遊技機」が業績を下支えしている状況にあるものの、2018年に登場した5.9号機の業績が全体的に悪く、5.5号機など既存機種の業績も緩やかに下落し、パチスロ全体の業績を押し下げたことが業績下落の要因と考えられる。 しかし、それら業績の軸となる機種のほとんどは2019年末に認定切れとなるため撤去を余儀なくされ、その他旧規則機もすべて2021年1月末までに撤去を完了する必要がある。撤去を進めるには代替の新規則機が必要となるが、2018年における保通協の型式試験の適合率は非常に低い状況が続き、その結果6号機の登場機種数はわずか5機種となった。「S…HEY!鏡」(大都技研)は唯一ファンの支持を得て、償却達成には至らなかったものの、6号機の可能性を感じさせるには十分な結果を残した。しかし、その他の4機種は対照的にいずれも業績が振るわなかった。 2019年にパチスロの業績を維持できるかどうかは、このような好業績の6号機がどの程度登場する

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