DK-SIS白書2019_opt
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212018年タイプ別1業績と遊技環境DK-SISで見る2018年データ  第2章 59・主力である4円ハイミドルタイプの業績下落・4円ライトミドルタイプのアウトが大幅に上昇、台数シェアも上昇 4円ミドルタイプは、2017年と同様、4円パチンコの主要タイプの中で低いアウトながら、粗利は4円パチンコ全タイプ中で最も高くなった。時間粗利は全タイプ中で最も高かった2017年をさらに上回り、ファンにさらなる負担を強いる非常に辛い活用となっている。 4円ライトミドルタイプは、好業績の続いている「CRF.戦姫絶唱シンフォギア」(SANKYO)が再販で設置台数を伸ばしたことにより、2017年に比べて台数シェアが拡大し、アウトも大幅に上昇している。また、時間粗利が2017年の1,280円から2018年は1,150円まで抑えられた。ハイミドルタイプの1,070円と比較して高いものの、アウトが上昇した要因の一つと考えられる。 4円ライトタイプは、2017年から横這いであるが、主要タイプの中でアウトは下位に位置している。また、台数シェアが全タイプ中で最も減少した。その要因として、市場に大量導入された機種のアウトが伸び悩んだこと、2018年に登場した新機種の機種貢献が2017年と比較して悪化したことが挙げられる。さらに、ライトタイプは設定付きパチンコが最も多く登場したものの、過去に登場した機種の焼き直しが多く、ファンが目新しさを感じられなかったことも要因である。 4円その他タイプは、粗利が大きく上昇している。2018年にその他タイプとして登場した役物(玉遊び)系機種の多数が、粗利面で活躍したことによるものと考えられる(第3章2節参照)。これらの機種は時間粗利が高くなりやすい特徴を持っている。 2円・1円パチンコは、アウト・粗利ともに2017年から落ち込みが見られる。特に2円パチンコはアウト・売上が2017年に引き続き1円パチンコを下回っており、粗利も1円パチンコの粗利と同程度まで落ち込んでいる。 2018年のパチンコタイプ別業績を総括すると、台数シェアの主軸である4円ハイミドルタイプ・1円パチンコともに業績が下落したものの、パチンコ全体では業績の下落幅がやや抑えられて横這いとなった。これは、ライトミドルタイプを中心に、それ以外のタイプで業績が上昇したことによって相殺されたためである。パチンコ全体の業績は単月で見れば2017年を上回る時期もあったものの(第2章1節参照)、通年で業績を向上させていくには主力の4円ハイミドルタイプを立て直すことが必要である。 4円ハイミドルタイプは、時間粗利を見るとライトタイプと並んで4円パチンコの中では比較的低い活用となっている。しかし、その内訳を見ていくと、いわゆる「金のなる木」として非常に辛い活用となっている機種もあれば、「花形」として薄利営業している機種もあり、ファンに与えている印象も様々である。できるだけ多くのファンに4円ハイミドルタイプの楽しさを享受してもらうために、「花形」で過剰に薄利としている部分があれば、その分を「金のなる木」の機種に還元することも検討してみてはいかがだろうか。これは店舗の「花形」機種の台数比率を増やすことにも繋がる。育成する機種を増やし、新機種を大切に扱うことで、稼動貢献は長くなって入替サイクルが緩やかになり、新台コストの削減も見込むことができる。これは一例であるが、4円ハイミドルタイプの業績向上に向けた取り組みを業界全体で推進することが求められる。

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