DK-SIS白書2019_opt
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3パチンコの業績は横這い、長期の下落傾向に歯止めがかかる 2018年のパチンコ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間3.50時間(対前年-0.05時間)・粗利2,513円(対前年-43円)となり、ともに横這いとなった。パチンコは長期にわたって下落傾向が続いている中、ようやくながら下げ止まりの兆しが見られる。パチンコの中で最も台数比率の高い4円パチンコについて見ても、稼動時間2.89時間(対前年-0.05時間)・粗利3,286円(対前年-34円)となり、こちらも横這いとなった。ただ、パチスロと比べて稼動時間・粗利ともに低い状況が続いていることから、パチンコの設置比率の減少傾向が続いている。4パチスロの業績は下落傾向が続く 2018年のパチスロ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間4.48時間(対前年-0.13時間)・粗利3,003円(対前年-223円)となり、ともに下落傾向となった。パチスロの中で最も台数比率の高い20円パチスロについて見ても、稼動時間4.45時間(対前年-0.09時間)・粗利3,382円(対前年-254円)となり、こちらも下落傾向となった。特に粗利は2017年と比べて7%程度の下落212018年1業界考察DK-SISで見る業界動向  第1章 15 2018年の業績をタイプ別に見ると、最も業績の良い4円ハイミドルタイプの稼動時間・粗利が2017年と比較して5%程度下落した一方で、4円ライトミドルタイプは「CRF.戦姫絶唱シンフォギア」(SANKYO)が設置シェアを伸ばしたことにより、稼動時間が10%程度上昇した。またこれに伴いライトミドルタイプの時間粗利が2017年の1,280円から2018年は1,150円まで抑えられた。まだまだハイミドルタイプの1,070円と比較して高いものの、稼動時間が伸びた要因の一つと考えられる。出玉性能が抑えられた新規則機においては、ライトミドルタイプの機種が多く登場することが想定されることから、カテゴリとしての強化は今後重要な課題となる。ハイミドルタイプより出玉性能では劣るにもかかわらず、ハイミドルタイプ以上の時間粗利となっている現状については改善すべきと考える(第2章2節参照)。 2018年に登場した新機種の貢献データを見ると、2017年と比較して償却達成率・貢献週・累計台粗利ともに悪化しており、新機種の業績は芳しくない。業績の下げ止まりの兆しについては2017年以前に設置された旧規則機に頼っている部分が大きい。これら旧規則機のほとんどは前倒し認定を受けていれば2021年1月末まで設置できるため、大切に使うことで4円パチンコの業績の底支えとなることは間違いない。一方で、これから登場する新機種については2018年登場機種と同様に厳しい業績になる可能性が高く、機種選定はより慎重に行うべきと考える。 前述した通り、旧規則機が残る限りは2019年以降も業績をある程度維持できる可能性はある。ただ、あくまでも長期にわたって続いていた業績の下落傾向に下げ止まりの兆しが見えただけであって、業績の絶対値としては低い状況が続いており、決して楽観視できるわけではない。この先パチンコの業績を上向かせるためには、旧規則機による底支えだけではなく、旧規則機から入れ替えていく新機種の活用も重要となる。特に設置シェアの大きい4円ハイミドルタイプはもちろんながら、比較的遊びやすい4円ライトミドルタイプのさらなる強化、新規ファンの入り口としやすい4円ライトタイプ・低価貸し営業の積極的アピール、さらには新規則機にて認められた「設定付きパチンコ」による新しいカテゴリの普及等、進めるべき施策はまだまだあるのではないだろうか。となっており、下落幅が大きい。ただ、依然としてパチンコよりも稼動時間・粗利ともに高いため、パチンコからパチスロへの移行が続いており、パチスロの台数比率は増加している。 2018年に登場した新機種の貢献データを見ると、2017年と比較して償却達成率・貢献週・累計台粗利ともに悪化しており、特に総合貢献に

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