DK-SIS白書2019_opt
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212018年1業界考察10 第1章  DK-SISで見る業界動向総括 2018年の日本経済は緩やかな回復基調が続いており、戦後最長と並ぶと言われるほどになったものの、通商問題等による海外経済の状況や人手不足感の高まりによって、先行きについては不透明感が高まっている。そのような中、当業界においては2018年2月に「改正規則」が施行され、遊技機の出玉性能にさらなる制限が加わったことや、2018年7月には「IR整備法」・「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立したことに伴って、依存問題に対して世間からの厳しい目が向けられており、業界を取り巻く環境はますます厳しくなっている。 DK-SISが毎年推定している業界の市場規模を見ると、2018年の売上規模は20.7兆円(対前年-0.7兆円)と年々下落傾向が続いている。またDK-SISで最も重要な指標と考えている2018年の粗利規模は約3.38兆円(対前年-0.14兆円)と、ここ数年下落が続いている(第1章5節参照)。 パチンコにおいては、2018年も4円パチンコ・低価貸しパチンコともに業績の下落が続いたものの、下落幅は2017年以前と比較して小さくなっており、下げ止まりの兆しが見られる。ただ、2018年に登場した新機種の業績は2017年に登場した新機種と比較して稼動貢献が短く(第3章3節参照)なっており、2018年8月以降に少しずつ登場した「設定付き」を含む新規則機も2018年末時点では目立った業績を残せていない。2019年以降、業績を維持、さらに反転させるためには、これら新規則機におけるヒット機種の登場が必要不可欠である。 パチスロにおいては、2018年も業績の下落が続いている。特に2018年に登場した新機種で償却達成できたのは3機種(79機種中)しか無く、非常に厳しい状況となった。ただ、10月には新規則に対応した6号機が登場し、最初の機種となった「S…HEY!鏡」(大都技研)がまずまずの稼動貢献を残したことで、5.9号機時代と比較すると幾分かは先が見通せるようにはなった。しかしながら、まだまだ「高射幸性遊技機」に頼らざるを得ない状況が続いている。そのような状況の中、2019年1月末に予定されていた「高射幸性遊技機を15%以下にする」という取り決めを延期することが、2018年11月に全日遊連にて決定された。新規則機の登場が少ないということが理由であり、新たな期限を6号機の登場状況を見ながら再度検討することとなっている。 警察庁発表によると、2018年末時点の店舗数は10,060店舗となっており、2017年末からの減少幅が536店舗とここ数年と比べて減少幅が大きくなった(第1章4節参照)。先行きの不透明な状況が続いているだけではなく、規則改正に伴うみなし機の問題も大きな要因ではないかと推測される。また店舗数の減少が続いている中、昨年までに引き続き店舗の運営企業のM&Aが話題となった。 DK-SISの推定による新台販売台数は約175万台(対前年-37万台)と3年連続で大幅な減少となった。パチンコ・パチスロ別に見ると、パチンコは約133万台(対前年-8万台)・パチスロは約42万台(対前年-29万台)で、特にパチ(はじめに) 今回のDK-SIS白書2019年版では「各店舗の営業日数」・「DK-SIS加入店舗と実際の全国平均の業績差」についてそれぞれの現状を考慮し、「業界総粗利」及び「業界総売上」の算出方法見直しを行った。これに伴い、2018年の数値と、過去7年間の数値についても見直しを行った(第1章5節参照)。2 2018年の業界考察

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