DK-SIS白書2018_opt
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212017年1業界考察4パチスロの業績は横這い、パチンコとの業績差が拡大 2017年のパチスロ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間4.66時間(対前年-0.05時間)・粗利3,256円(対前年-30円)と横這いに留まった。また、パチスロの中で最も台数比率の高い20円パチスロの業績を見ると、稼動時間4.59時間(対前年-0.05時間)、粗利3,687円(対前年-51円)と横這いで、パチスロ全体と同様の傾向となっている。一方、パチンコ業績は下落していることから、相対的にパチスロとパチンコの業績差が拡がり、これまで続いていたパチンコからパチスロへの入れ替えがさらに進んだ。 ただし、パチスロの業績も安泰ではない。これは、2017年のパチスロ業績が「新基準に該当しない遊技機」に大きく依存しているからである。2017年12月1日までに「新基準に該当しない遊技機」の設置比率を30%以下に抑制しなければならなかったが、「バジリスク~甲賀忍法帖~絆」(エレコ)などの主力機種が優先的に5遊技機の販売台数が2年続けて大幅減少 2017年の新台販売台数は約212万台となり、2016年と比較して16.5%(約35万台)の大幅な減少となった(台数はDK-SIS推定値)。2015年から2016年にかけても新台販売台数は19.8%(約61万台)の減少となっており、この2年で新台販売台数が100万台近く減少し、規模が2/3まで縮小したことになる。パチンコ・パチスロ別で見ると、パチンコの新台販売台数は約141万台(対前年-23万台)、パチスロは約71万台(対前14 第1章  DK-SISで見る業界動向ンコの時間売上・時間粗利を見てみると、時間売上7,380円(対前年-400円)・時間粗利1,130円(対前年-20円)となっている。一見、時間粗利は時間売上と同様に下落しているように見えるが、粗利率は15.3%(対前年+0.5%)となっており、遊技機の売上性能(出玉性能)は下がったものの、ファンにとってはより厳しい遊技環境となってしまっている。 本来、出玉性能を下げることは「ファンにとって遊技しやすい環境」を提供することに繋がるはずであるが、実際には上記で述べたような粗利率の上昇が発生していることなどから、まだまだ「遊技しやすい環境」とはなっていない。2018年以降に登場する新規則機はさらに出玉性能が抑制されている点を考えれば、出玉性能に頼った営業はもはや不可能と言っても過言ではない。いち早く「ファンにとって遊技しやすい環境」へ移行し、ファンの信頼を獲得することがパチンコの業績回復には必須なのではないだろうか。残された結果、業績に大きな影響は現れなかった。しかしながら、今後は「検定」・「認定」が切れた機種から順次撤去を余儀なくされるだけでなく、自主規制によってより早い段階でこれらの機種を撤去しなければならない可能性もある。 「新基準に該当しない遊技機」に頼った営業がいつまでもできるわけではない。幸い、規則改正後に登場する6号機については、5.9号機と比較して出玉性能は抑制されるものの、ARTのゲーム性は大幅に緩和される見通しとなっている。この中からファンの支持を集める機種が登場すれば、旧規則機から6号機への移行は当初予想されたものよりもスムーズに進む可能性もある。2018年は旧規則機を活用しつつ、「ファンに好まれる6号機」がどのようなものかを見極めていくことが重要となるのではないだろうか。年-12万台)となり、どちらも2年連続の大幅な減少となった。 販売台数が2年連続で大幅に減少した要因として、パチンコ・パチスロともに新機種の総合貢献が終了(稼動時間・粗利ともに全体の平均を下回るまでの期間)するまでに償却達成した機種が半分に満たないことが挙げられる。特にパチスロでは30%となっており、新機種の業績

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