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概要

DK-SIS白書2015画像

203あとがき 今年でDK-SIS白書を発刊してから13年目となりました。 皆様は本白書で2015年データを改めてご覧頂き、どのように感じられましたか。 2015年は、パチンコの内規変更とパチスロの自主規制により、遊技機の売上性能や出玉性能を抑制する動きが加速したことに加えて、パチンコにおける試験くぎと遊技くぎの乖離問題が顕在化したため、業界全体が大きく混乱した年だったと言えるでしょう。 特に遊技くぎに関する問題は、一般の新聞紙面にも記事が掲載されたため、遊技機メーカーとホール企業間の責任の所在をめぐる問題では収まらず、業界外からもパチンコ業界のいびつな状況に対する批判が多く見受けられました。情報がすぐに伝達、拡散される現状において、このような業界外からの批判には業界が一丸となって対応すべきですが、業界内の折り合いがつかずに後手に回っていると感じます。ファンが店舗に足を運びにくくなる空気となる前に、できるだけ早く適切な対応を望んでおります。 業績面に関しては、依然として低迷から脱け出せずに厳しい状況が続いております。特にパチンコのマックスタイプの新規販売および設置ができなくなった11月の業績低迷は著しく、全店における月間の稼動時間が初めて4.0時間を下回りました。年間の稼動時間をみても4.2時間と低迷しており、営業時間を13時間と想定した場合の稼動率は約32%となります。これは、稼動状況を平均化すると常に2/3以上の遊技機が稼動していないことと同じであり、店舗内の閑散化と賑わい感の喪失に繋がっているため、最優先で改善すべき懸念事項と捉えるべきです。 パチンコは長引く4円パチンコの不振も影響して、全体のアウトは20000個割れ、台売上は20,000円割れ、台粗利は3,000円割れと、業績の水準が全ての項目で一段階下がっただけでなく、総設置台数も平成元年(1989年)以降で最低となっており、遊技くぎ等の問題と合わせて不名誉な年だったと言えます。また、パチスロにおいても相対評価ではパチンコを上回るものの、新機種の業績は全体的に伸び悩んでいるため、設置台数を増加させるか否かについては自店の力量を見極める必要があります。自店のファンが分散してしまうだけの安易な増台ではなく、自店が地域内でどの位置づけにあるのか、台数を増やすのであればどのタイプを増やすのかなど、目的を明確にして失敗のリスクを極力減らすことが重要と考えております。 今後、遊技機の売上性能や出玉性能に対する規制が簡単に緩和されることは難しいと思われます。また、遊技機の仕様が大きく変化すると、「ファンを育成する」というおこがましい表現を耳にするようになりますが、本当に育成すべきは自店の遊技機ではないでしょうか。活用も含めて育成した遊技機を、「ファンに理解していただき遊技してもらう」という考えをもって、今後の変化に対応していく必要があると感じております。 最後に、今後も生き残りをかけた戦いは続くことが想定されます。この試練を乗り越えるためにも、快適な遊技空間の提供や遊技機の変化への臨機応変な対応と合わせて、基本に立ち返ることも重要となりますので、その際に市場の実態に最も近いデータベースであるDK-SISを濃密に集約した本白書が、皆様方のお役立てになれば幸いです。ダイコク電機株式会社DK-SIS室 室長山岸 義幸T R A I L E R