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概要

DK-SIS白書2015画像

DK-SISで見る業界動向②2015年の業界考察200第1章16DK-SIS推定値)。 パチンコ・パチスロ別で見ると、パチンコの新台販売台数は約197万台(対前年-5万台)、パチスロは約111万台(対前年-4万台)となり、2014年の減少幅と比較すると緩和されたものの、減少傾向が続いている。そのような中、遊技機販売価格がさらに上昇し、定価が50万円に近い機種も登場した。結果として、業界全体における遊技機購入費用は2014年と比較して横這いに留まった。ただ、業界総粗利の減少が止まらない限りは、遊技機購入費用のさらなる減少も避けられず、各メーカーにとってこれ以上の販売台数減は死活問題となる。 実際に厳しい環境を反映して、以下のような形でメーカーの倒産・撤退が相次ぎ発生した。 マルホン工業:2015/3民事再生手続き→その後2015/9に民事再生手続き認可 奥村遊機:2015/4自己破産申請 アリストクラートテクノロジーズ:2015/4撤退(後にフィールズが買収) SNKプレイモア:2015/11撤退 ジェイピーエス:2015/12撤退 ファンに受け入れられ、ホールに貢献する遊技機を開発するにあたって、遊技機を進化させることはもちろん必要なことであるが、粗利規模が縮小し続けている中、開発費ばかりがかさむ現状を今一度見つめ直し、高コスト体質を改善することが急務なのではないだろうか。? 損益分岐割数の下限の設定が進む 2014年に引き続いて2015年においても地域単位で損益分岐割数の下限を引き上げる動きが広がっている。最も大きな動きとしては、2015年9月に東京都遊技業協同組合にて、かねてから行政から指摘されている「射幸性の抑制」を目的とした「適切な商品提供の徹底について(案)」が可決された。これにより東京都では2015年11月から金地金商品の提供価格が変更され、損益分岐割数の下限が11.2割と定められた。また、再プレイ玉数にもパチンコ・パチスロ別に上限玉数が設けられた。さらに2015年12月には愛知県においても損益分岐割数の下限が11割と定められ、2016年以降も他地域に広がりを見せつつある。 損益分岐割数の引き上げは、長期にわたって業績が低迷する中、なんとか粗利を確保するための手段として考えられている。特に今後予定されている消費税10%への対応としても期待されている。しかしながら店舗単独で実施したとしても、他店にファンが移動してしまい、期待した効果を得ることが難しい。このため地域単位で実施することによって、損益分岐割数の引き上げによるファン移動を防ぐ狙いがある。 今後も損益分岐割数の引き上げの動きは広がりを見せると想定される。損益分岐割数の引き上げは、ファンにとってマイナスイメージが強いため、そのイメージを払拭することが必要不可欠である。ホールにおいてはしっかりとしたシミュレーションを行い、粗利確保だけではなくファン目線に立った活用が望まれる。 なお、2016年4月末時点で、10.0割以外の損益分岐割数の下限設定を、47都道府県のうち30都道府県が実施している。(付録4参照)