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概要

DK-SIS白書2015画像

DK-SISで見る業界動向②2015年の業界考察200第1章12? パチンコの業績下落続く 2015年のパチンコ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間3.88時間(対前年-0.16時間)・粗利2,988円(対前年-177円)となった。台数シェアの下落が続いているパチンコであるが、業績下落に歯止めがかからない状況が続いている。パチンコの中で最も台数シェアの多い4円パチンコの業績を見ても、稼動時間3.30時間(対前年-0.20時間)・粗利3,830円(対前年-170円)となり、特に稼動時間はパチンコ全体と比べても大きな下落幅となった。さらに、例年稼動が落ち込みやすく、新台の登場も少なかった11月には、単日業績がDK-SISで集計を開始して以来、過去最低を何度も更新するなど業績が上向く兆しの見いだせない状況が続いた。 2015年のパチンコ業績下落の要因として、マックスタイプの台数シェアが大幅に増加したことでファンがついていけなくなった点が挙げられる。2015年11月以降に大当り確率1/320未満の機種は新規設置ができなくなることを受けて、2015年10月までに駆け込みでマックスタイプの機種が大量にリリースされた結果、2015年10月には4円パチンコ内における4円マックスタイプのシェアは46.7%まで増加した。その一方で、2014年では最も高い業績だった4円マックスタイプは、2015年において業績が大幅に下落しており、マックスタイプの台数シェア増加をファンが望んでいたかは甚だ疑問である。 2016年においては、既存のマックスタイプの撤去が徐々に実施されるため、マックスタイプ過多の状況は改善されていくと考えられる。また、2015年11月以降に登場する機種は、ベースが高く出玉性能が抑えられた機種のみとなり、2015年よりも投資リスクの低い機種が市場に拡がっていくことになる。このような機種は、時間粗利の高低がそのままファンの勝率に直結しやすい。2015年の4円パチンコの時間粗利は1,160円(対前年+20円)と上昇が続いており、このような中ではどれだけ投資リスクの低い機種が増えても、ファンが「遊技しやすい」環境とは決して言うことはできない。遊技機だけでなく、活用の面からもファンが「遊技しやすい」環境を構築することが、パチンコの業績回復には必須なのではないだろうか。? パチスロは業績下落傾向も、下げ止まりの気配 2015年のパチスロ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間4.72時間(対前年-0.14時間)・粗利3,396円(対前年-119円)となり、どちらも下落した。また、パチスロの中で最も台数シェアの高い20円パチスロの業績を見ると、稼動時間4.61時間(対前年-0.14時間)・粗利3,849円(対前年-97円)となり、パチスロ全体と同様に下落した。ただ、稼動時間・粗利ともに4円パチンコを上回っていることや、2015年後半には前年同月を上回る業績となったこともあり、2015年はわずかではあるもののパチンコからパチスロへの入れ替えが進んだ。 20円パチスロのタイプ別業績に目を向けると、主要なタイプであるノーマル・ART・30φタイプすべてで稼動時間は下落した。特にARTタイプはノーマル・30φタイプと異なり、台数シェアが減少する中での稼動時間減少となっており、より深刻な状況と言える。その要因として、2015年3月に初めて市場に登場した新基準機(2014年9月の試射試験方法の変更後に適合した機種)の業績不振が挙げられる。新基準機はそれまでの機種と比較して出玉性能が低く、時間売上も低いことが特徴であるが、実情としてファンに受け入れられている機種は少ない。 そのような中で、市場に導入された後、一旦は稼動貢献が終了したにも関わらず、再び高い稼動時間となる旧基準機が複数登場したことも2015年の特徴と言える。例えば「バジリスク絆」(エレコ)は2014年10月に月間の稼動時間が3.84時間まで下落していたが、その後上昇を続