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概要

DK-SIS白書2015画像

DK-SISで見る業界動向②2015年の業界考察?総 括200第1章9 2015年を総括すると、アベノミクスによる効果が期待されたものの、2014年4月に消費税が8%に増税されて以降、個人消費が伸び悩む状況が続いている。当業界においても規模の縮小が長期に渡って続いており、先行きについても未だ明るい話題は見えてこない。さらに2015年末には遊技釘の問題が一般紙にも広く報道されたことで、世間からの業界に対する評価はより一層厳しいものとなっている。 DK-SISが毎年推定している業界の市場規模を見ると、2015年の売上規模は約22.3兆円(対前年-1.2兆円)と緩やかながら下落傾向が続いている。またDK-SISで最も重要な指標と考えている2015年の粗利規模は、約3.32兆円(対前年-0.18兆円)で約5%の下落となった。この粗利規模はDK-SISで集計を開始した1995年以降の最低値を10年連続で更新し続けるという極めて厳しい状況となっている(第1章5節参照)。 パチンコ・パチスロ別で見ると、パチンコは全体的に業績の下落傾向が続いており、下げ止まる気配すら無い。2015年の遊技機1台当たりの稼動時間・粗利を見るとどちらも下落となり(第1章3節参照)、この5年でパチンコの粗利規模の約30%が失われた。特に営業の軸となるべき4円パチンコにおいては、稼動時間・粗利ともに下落傾向が続いており、復活への糸口が全く見いだせない状況となっている。 一方パチスロは、2015年の遊技機1台当たりの稼動時間・粗利はわずかに下落したものの、ここ数年で粗利規模は横這いで推移しており、あくまでもパチンコとの相対的な比較で、なんとか踏み留まっている状況と言える。 警察庁発表による2015年の店舗数は11,310店舗(対前年-317店舗)と緩やかながら減少傾向が続いている。遊技機設置台数に目を向けると、全体では約457.5万台(対前年-2.2万台)となったが、パチンコは約4.8万台減少した一方でパチスロは約2.6万台の増加となり、それぞれの業績が反映された結果となった。店舗当たりの平均設置台数は404.9台(対前年+9.5台)となり、新規および改装店舗の大型化と小規模店舗の淘汰が続いている状況にも変化は見られない(第1章4節参照)。 2015年の新台販売台数は約308万台(対前年-9万台)とわずかに減少した。ただし、約38万台の減少となった2014年と比べると、減少幅は小さくなっている。内訳を見るとパチンコ機の販売台数は197万台(対前年-5万台)、パチスロ機の販売台数は111万台(対前年-4万台)で、どちらも微減となっている。 今後も、パチンコにおいてはマックスタイプの遊技機が市場から優先的に撤去される流れと、新機種における高ベース仕様や継続率の抑制によって売上性能の更なる低下は避けられない。さらには釘問題の解決に向けた遊技機の撤去問題も控えている。パチスロにおいても段階的に出玉性能の抑制に向かう動きが進んでいくと想定される。総合的に判断して、2016年以降に状況が劇的に改善するということは考えにくく、厳しい状況が続くと想定される。 ただ、現状においても条件次第ではあるものの、新規出店・改装による成功事例が少なくないことや、過去の推移・事例から、不況下でも当業界が比較的底堅く推移していることを踏まえると、波はあるものの長期的に業績が落ち続けるとは限らない。様々な問題が一段落することで② 2015年の業界考察