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概要

DK-SIS白書2014

199あとがき 今年でDK-SIS白書を発刊してから12年目となりました。 皆様は本白書で2014年データを改めてご覧頂き、いかがでしたでしょうか。 2014年は、消費税増税への対応として損益分岐割数の変更や貸し玉料金を引き上げるなど、営業形態の変化を余儀なくされた年だったと言えるでしょう。また、パチスロの試射試験方法の変更が通達された後に設置スケジュールが変更となった新機種もあり、突然の変化への速やかな対応も求められました。 消費税増税については、そこから想定される営業利益の減少分をどのように補うのかが焦点となり、多くの場で様々な方法論が検討されたと思います。中でも、損益分岐割数の引き上げは都道府県単位でみると約20の地区で実施され、全国規模での大きな変化となりました。ただし、その引き上げ幅については再度の変更を検討している地区もあり、完全に落ち着いてはいない状態です。また、貸し玉料金の引き上げについても全国では12~13%の店舗が実施しており、現在でも緩やかながら実施店舗が増加しているので、徐々に浸透している状況と言えます。ただし、地域によって実施店の割合に大きな差があることや、パチンコとパチスロで実施状況が大きく異なることを考慮すると、いまだに馴染みのないファンも多く存在することを前提とした、理解しやすい告知を継続的に行っていく必要があります。 ここ数年の営業形態の多様化によってファンが仕組みを理解しないまま遊技し、その後に営業形態に対する不満を感じるケースも増えたように感じます。これは、その仕組みから派生する楽しみや利便性を伝えることを優先し、仕組み自体の説明が中途半端になっているからではないでしょうか。今後も市場や環境の変化に対応するために、新たな仕組みを採用することも増えてくると思いますので、まず仕組みを理解していただき、その上で楽しんでいただくという基本に立ち返ることも必要となるでしょう。 業績面に関しては、前半は比較的好調を維持していたものの、後半はパチスロ新機種の設置スケジュールが変更された影響もあって業績は大きく落ち込みました。特に11月には目立った新機種が登場しなかったことで、パチスロのアウトが過去最低水準となった日も複数あり、あらためて遊技機が業績に与える影響の大きさを感じました。今後は、現状よりも出玉性能が抑制されたパチスロ遊技機へとシフトしていきますが、出玉性能や遊技性能を不安視したところで、そもそも新機種が登場してこなければ意味がないので、型式試験の状況も含めた遊技機の情報を注視していくべきと考えます。また、パチンコに関しても遊技機の出玉性能が変化していくことを考慮すると、今後は、規制の対象になりにくい遊技機を育成することが業績の安定に繋がりますので、活用方法を再考していただきたいと思います。 最後に、パチンコ業界を取り巻く環境の厳しさが簡単に緩和されることはありません。この厳しい環境を乗り越えるためには、奇をてらった策で一時的に凌ぐのではなく、変化への順応と合わせて基本に立ち返ることが重要となります。その際に市場の実態に最も近いデータベースであるDK-SISを濃密に集約した本白書が、皆様方のお役立てになれば幸いです。ダイコク電機株式会社DK-SIS室 室長山岸 義幸T R A I L E R