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概要

DK-SIS白書2014

DK-SISで見る業界動向第1章②2014年の業界考察13 ヘソ賞球が1個・2個となることで、コンピュータスタート(一定アウト当たりのスタート回転数)を高くすることができる。しかしながら、実際に登場した機種を見ると、損益分岐のコンピュータスタートはそれほど高くせず、出玉性能に反映させた機種も見られる。機種開発する際には、本来の目的から外れた「回らないパチンコ」にならないように注意すべきである。 また仮に、ヘソ3個の機種と同じコンピュータスタートであった場合、ヘソ1個の方がファン目線の指標である千円当たりのスタート回数は低くなる。ホールにおいても機種のシミュレーション結果をしっかり確認し、ファン目線に立った活用が望まれる。? パチスロ試射試験方法の変更が通達される 2014年9月にパチスロ試射試験方法の変更が施行された。従来の試験方法では指定の押し順で遊技した場合の下限出玉率が55%以上となっていれば問題無かったが、変更後はどのような押し順で遊技しても(押し順ナビに従わずに遊技しても)下限出玉率が55%以上となるかの試験が追加された。この結果、従来のARTタイプのほぼすべてにおいて新しい試験方法での適合が難しくなった。特にボーナスを搭載しないタイプの遊技機では、ベース値(通常時の出玉率)を従来よりもかなり高く設計する必要があり、各メーカーは緊急の対応を迫られた。 しかしながら対応が間に合った機種はわずかで、9月以降の登場機種が極端に減少した。結果として年間のARTタイプの販売機種数が74機種から59機種へと減少した(第2章8節参照)。さらにこれまで常に低い水準で推移していた保通協への持ち込み機種数に対する適合機種数の割合(適合率)も9月以降は大幅に悪化した。 今回の試射試験方法の変更については、従来の機種の出玉性能の高さを問題視されている点が根本にあると考えられる。今後においてもより一層厳しい通達があることも想定され、出玉性能のみに頼らない秀逸なゲーム性を考案することが必要となりそうだ。? 店舗数は引き続き減少、遊技機設置台数も減少に転じる 2014年の店舗数は11,627店舗(警察庁発表資料より)となり、引き続き減少傾向となった。業界総粗利の減少と同様に、業界の規模が縮小していることを如実に表すデータとなっている。さらに、遊技機設置台数を見ると、2010年以降徐々に増加を続けていたが、2014年は下落に転じた。 また、1店舗当たりの設置台数を見ると、これまでと同様に増加傾向となっており、新規店舗の大型化と、中・小規模店舗の淘汰が進んでいる。特に、2014年は2,000台を超える店舗が複数登場し、スケールメリットが大きいだけでなく地域のランドマークとしての役割を担うような店舗も登場した。 このような大型店舗は、今までの新規店舗登場時よりも広範囲の商圏に大きな影響を及ぼすことが多く、中・小規模店舗の営業はますます厳しくなると予想される。特に中・小規模店舗においては営業形態や機種構成などで独自性を持った営業を行うことの重要性が増していくのではないだろうか。