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概要

DK-SIS白書2014

DK-SISで見る業界動向第1章②2014年の業界考察11? 業界総粗利がさらに減少も遊技機利益は横這い DK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。DK-SISから推定される2014年の業界総粗利は、3.50兆円(対前年-0.13兆円)と2013年に引き続きDK-SISで集計を開始して以来の最低を更新した。さらに2014年の売上規模は23.5兆円(対前年-0.6兆円)で、こちらも下落が続いており、2014年も引き続き業界全体にとって厳しい1年となった。 2014年の遊技機利益(推定される業界総粗利から業界全体の新台購入費用を差し引いた金額)は2.43兆円(対前年増減なし)で2013年と同水準となっている。これは、パチンコ機・パチスロ機ともに総販売台数が大幅に減少したことが要因である。パチンコにおいては低迷状態が長年続いていることで新台入替の経費を削減する動きが顕著に見られたことが、パチスロにおいては2014年9月に行われた試射試験方法の変更により9月以降の登場機種数が減ったことが、それぞれ販売台数の減少に繋がったと考えられる。 業界総粗利の減少が続いているが、これは業界が縮小し続けていることとほぼ同義である。業界総粗利の減少を食い止めるためには、「ファンを増やすこと」もしくは「ファン1人当たりの消費金額を増やすこと」のどちらかが必要である。しかしながら、「ファン1人当たりの消費金額」は現時点で既に限界を超えており、むしろこれがファンのドロップアウトを生んでいる。このことから「ファン1人当たりの消費金額」を増やすことは現実的ではなく、「ファンを増やす」ための努力が急務であると言える。 まずは最低限として「ファンの減少を食い止める」ためにファンの不満要素の排除を続けること、そして幅広い出玉性能の遊技機を提供すること、さらには休眠ユーザの掘り起こし・新規ファン獲得のための機会創出活動等を、地道に続けることが重要である。? パチンコの業績下落に歯止めかからず 2014年のパチンコ機1台当たりの業績を見ると、稼動時間4.04時間(対前年-0.13時間)・粗利3,165円(対前年-101円)となり、どちらも下落が続いている。その中でも最も設置比率の高い4円パチンコの業績を見ると稼動時間3.50時間(対前年-0.16時間)・粗利4,000円(対前年-72円)となり、下落に歯止めがかからない状態となっている。4円パチンコの不振は、年々上昇を続けている時間粗利によるものと考えられる。2013年から2014年で時間粗利が1,110円から1,140円とさらに上昇しており、時間粗利の上昇傾向は全く収まる気配が無い。 4円パチンコのタイプ別で見ると、2014年は最も出玉性能の高いマックスタイプが台数シェアを大きく伸ばし、4円パチンコ内の台数シェアが過去最高となった。さらに、2014年前半は「CRルパン三世7 H9AZ1」(平和)、後半は「CR牙狼金色になれXX」(サンセイアールアンドディ)が好調に推移したことで、他のタイプに比べて高い業績となった。 また大当り確率が1/200前後と比較的遊びやすい4円ライトミドルタイプも台数シェアを伸ばした。「CRぱちんこAKB48バラの儀式V9」(京楽産業.)、「CRまわるんぱちんこ大海物語3 HMB」(三洋物産)が大量導入されたことが大きな要因である。しかしながら4円マックスタイプと異なり、稼動面では2013年とほぼ同等で低迷状態を脱したとは言えない。時間粗利も2014年は1,340円(対前年+120円)とファンの負担が極めて大きくなっており、長期で活用するという前提からはほど遠くなっている。