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概要

DK-SIS白書2014

DK-SISで見る業界動向第1章②2014年の業界考察?総 括9 2014年の業界を総括すると、4月に消費税が8%へと増税され、その後の経済活動に停滞が見られた中、当業界においても低迷状態から抜け出すことができず、暗中模索な状況が続いている。 DK-SISが毎年推定している業界の市場規模を見ると、2014年の売上規模は約23.5兆円(対前年-0.6兆円)と緩やかながら下落傾向となっている。またDK-SISでは粗利規模こそが業界を表す指標として最も重要であると考えているが、2014年は約3.50兆円(対前年-0.13兆円)と微減し、DK-SISで粗利規模について集計を開始した1995年以降の最低値を更新し続けるという極めて厳しい状況となっている(第1章5節参照)。 パチンコは、全体的に業績の下落傾向が続いている。2014年の遊技機1台当たりの稼動時間・粗利を見るとどちらも下落となり、DK-SISで集計を開始して以来の最低値を年々更新し続けている(第1章3節参照)。その中でも特に営業の軸となるべき4円パチンコにおいては、稼動時間・粗利ともに長期にわたる下落傾向が続いており、復活への糸口は見いだせていない。 パチスロは、2011年~2012年をピークに業績が下落傾向に転じている。2014年の遊技機1台当たりの稼動時間・粗利はどちらもわずかながら下落した。20円パチスロを見てもパチスロ全体と同様の傾向であり、業績は頭打ち状態となっている。特に2014年の年末にかけて業績が急落しており、今後に不安を残す状況となっている(第2章1節参照)。 警察庁発表による2014年の店舗数は11,627店舗(対前年-266店舗)と緩やかながら減少傾向が続いている。遊技機設置台数に目を向けると、全体では約460万台(対前年-1万台)となったが、パチンコは約5万台減少した一方でパチスロは約4万台の増加となり、明暗の分かれる結果となった。店舗当たりの平均設置台数は395.4台(対前年+7.7台)となり、店舗の大型化と小規模店舗の淘汰がさらに進んでいる(第1章4節参照)。 2014年の新台販売台数は約317万台(対前年-38万台)と大幅に減少した。内訳を見るとパチンコ機の販売台数は202万台(対前年-20万台)、パチスロ機の販売台数は115万台(対前年-18万台)とどちらもかなりの減少となったが、比率的にはパチスロの減少幅が非常に大きくなっている。 このようなデータを見る限り、2014年は業界にとって極めて厳しい1年であったと言わざるをえない。2015年以降も、2014年9月に行われたパチスロ試射試験方法の変更による影響や、パチンコにおいて「のめり込み防止」の観点からの出玉性能を抑える動きが見られること等、業績へのネガティブな材料が多く、しばらくは厳しい状況が続くと容易に想定される。ただ、過去このような困難な局面が数多くあった中、様々な知恵や努力の積み重ねによってパチンコ業界が永きにわたって発展・維持を続けていることも事実である。決して楽観視できる状況では無いものの、現在できることを積み重ね、困難を一つ一つ解決していくことが今後においても重要なのではないだろうか。② 2014年の業界考察