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概要

DK-SIS白書2013

?業界総粗利がさらに減少DK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。DK-SISから推定される2013年の業界総粗利は、およそ3.63兆円(対前年-0.15兆円)と2012年に引き続きDK-SISで集計を開始して以来最低を更新した。この業界総粗利はファンの総消費金額と等しいことから、「ファン1人当たりの消費金額の減少」と「ファン人口の減少」のどちらか一方、もしくは両方が起こっていることになる。ただ、どちらにせよファンから得られる金額の減少は業界規模の縮小を意味しており、業界にとっては厳しい現状が続いている。業界総粗利減少の最たる要因は、最も設置比率の大きい4円パチンコの不振が続いているためと考える。4円パチンコの不振については次の項で詳しく考察を行う。また、業績が比較的好調に推移していた20円パチスロについても2013年は稼動時間だけではなく粗利も下落に転じ、業界総粗利の減少に拍車をかけた。2013年の遊技機利益(推定される業界全体の新台購入費用を業界総粗利から差し引いた金額)は2.43兆円(対前年+0.02兆円)と2012年とほぼ同水準となっている。これは、総粗利が減少を続けている中においてようやくながらホール企業が遊技機費用の削減に動き、遊技機の総販売台数、特にパチンコ機の総販売台数が大きく減少したことと、2012年の白書においてDK-SISの想定した遊技機費用が若干高すぎたことも影響していると考える。今後においてもある程度の新台購入が必要なことに変わりはないが、現状のように購入台数を抑え、遊技機費用を削減する流れは続くと想定される。業界総粗利の減少が続いているが、その根元はファンの不満と離反によるものと考えられる。これは、業界の高コスト体質とその負担をファンに強いる継続的な高い時間粗利が原因となっている。この状況を改善しない限りは今後も大きく業況が好転するとは考えにくい。ファンあってこその業界であることには間違いなく、店舗・メーカーともに目先の利益のみに捉われず、ファンを大切に扱う営業とは何かを考え、実行に移すことが望まれる。? 4円パチンコの業績下落が続く2013年の4円パチンコ1台当たりの業績を見ると、稼動時間3.6時間(対前年-0.3時間)・粗利4,072円(対前年-11円)となり、台数シェアの減少にともなって粗利はなんとか前年と同等を維持できたものの、稼動時間の下落には歯止めがかからなかった。DK-SISで見る業界動向第1章22013年の業界考察4円パチンコの不振は、年々上昇を続けている時間粗利によるものと考えられる。2012年から2013年で時間粗利が1,050円から1,110円とさらに上昇しており、時間粗利の上昇傾向は全く収まる気配が無い。ファンの消費金額が増加しない限り、時間粗利の上昇は稼動時間の減少を招き、それにともない新台の機種寿命も低下する。機種寿命の低下は遊技機購入費用の増加に繋がり、これがさらなる時間粗利の上昇を招くという構造的な問題となっている。4円パチンコのタイプ別で見ると、2013年は最も売上性能の高いマックスタイプが台数シェアを大きく伸ばした一方、大当り確率が1/200前後と比較的遊びやすいライトミドルタイプは台数シェアを大きく落とした。業績面においてもマックスタイプが比較的好調に推移する一方、ライトミドル・ライトタイプといった遊びやすいタイプの稼動時間は大きく落ち込んでいる。2012年から2013年にかけてのタイプ毎における時間粗利の変化に注目すると、マックスタイプは1,320円→1,300円と若干減少したが、それ以外のタイプは軒並み上昇しており、特にライトミドルタイプは1,020円11