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概要

DK-SIS白書2013

22013年の業界考察?総括2013年の業界を総括すると、「アベノミクス」効果で景気回復ムードが漂う中ではあるものの、パチンコ業界においては未だ長いトンネルから抜け出す道筋が見えず、これまでと同様に厳しい1年であった。DK-SISが毎年推定している業界の市場規模を見ると、2013年の売上規模は約24.1兆円(対前年-0.7兆円)とやや下落した。またDK-SISでは粗利規模こそが業界を表す指標として最も重要であると考えているが、2013年は約3.63兆円(対前年-0.15兆円)と微減となり、DK-SISで粗利規模について集計を開始した1995年以降の最低値を更新し続けている(第1章5節31頁参照)。パチンコは、全体的に業績の下落傾向が続いている。遊技機1台当たりの稼動時間・粗利を見ると、どちらも5年連続の下落となった(第1章3節19頁参照)。また営業の軸となるべき4円パチンコの業績に目を向けると、台数シェアの減少に伴って、なんとか粗利は昨年と同等を維持できたが、稼動時間の下落幅が非常に大きくなっており、根本的に業績が改善されているとは言えない。DK-SISで見る業界動向パチスロは、台数シェアが引き続き増加しているものの、業績は頭打ち状態から下落へと転じた。遊技機1台当たりの稼動時間・粗利を見ると稼動時間が前年に引き続き下落しただけではなく、上昇を続けていた粗利も2013年は下落となった。また、20円パチスロの時間売上・時間粗利が上昇している点、低価貸しパチスロのシェアが増加している点は、数年前から業績の下落が続いているパチンコの傾向と似通っており、楽観視できない状況と言える。2013年のホール数は11,893店舗と減少が続いており、とうとう12,000店舗を割り込んだ。一方、1店舗当たりの遊技機設置台数に目を向けると、増加が続いており、店舗の大型化と小規模店舗の淘汰の構図が進んでいる現状が見て取れる(第1章4節27頁参照)。2013年の新台販売台数は約355万台(対前年-29万台)と大きく減少した。内訳を見るとパチスロの販売台数はほぼ前年並みであるため、この減少分はほぼパチンコで占められている。これはパチンコの業績下落が続く中において、新台購入の経費を削減する動きが広がったことや、新台が導入されやすい4円パチンコの台数シェアが減少を続けていること等が要因であると考えられる(第1章5節32頁参照)。第1章22013年の業界考察現状において業界全体としては縮小傾向が続いていることは間違いない。さらに2014年4月から消費税増税が段階的に行われることや、カジノ法案の行方等、業界を取り巻く環境の変化にも目が離せない状況となっている。景気の好転や2020年に開催されることとなった東京オリンピック等明るい話題もあり、今後も右肩下がりの業績が続くとは限らないものの、現状の様々な問題に対して一つ一つ確実に解決していくことが重要であると考える。9