ブックタイトルDK-SIS白書2011

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概要

DK-SIS白書2011

GREETINGはじめに日頃よりDK-SISをご愛顧いただき誠にありがとうございます。おかげさまで、DK-SIS会員も2012年5月末現在で3,484会員となり、遊技機台数では115万台と市場規模の25%までにいたりました。重ねて御礼を申し上げます。昨年は東日本大震災および津波の被害、電力不足に起因する計画停電その後の節電問題、タイの洪水による電子部品供給不安など日本全体を揺るがす大きな出来事が相次いで発生した大変な一年でした。それに対して節電目標を掲げて輪番休業を実施したことや、業界全体で大きな額の義援金や草の根的なボランティア活動を行うなど業界を挙げて地道に社会貢献活動を行った年でもありました。地震直後に業界へ批判の声が上がるなどファン離れが心配されましたが、その後のファンの根強い支持もあり大きな減少を避けられたところは国民の生活に溶け込んだレジャーだからだと思われます。ただし急激なファンの減少は避けられたとはいえ、最近の減少傾向に歯止めはかかっていません。DK-SIS推測の業界総粗利を見ても前年比3%減少の3.82兆円と1995年以降最も低くなっています。この主たる要因は「4円パチンコ」の不振に起因するものです。これは時間粗利が1,040円と過去最高を更新し続けていることが原因だとDK-SISでは考えています。特に今まで安定していたライトタイプの業績が大きく下落し、時間粗利の高まりがライトタイプのゲーム性を大きく損なう水準になっているのではと分析しています。「4円パチンコ」の再生のためには時間粗利が上がり続ける状況の改善が急務だと思われます。一方パチスロは5号機移行後最高業績を更新しており、台粗利がパチンコを上回る好業績を維持しています。好調の要因はARTタイプでの優れた演出にともなった性能の向上にあると思われます。瞬発性には乏しいですが時間をかければ出玉感の創出も可能であり、時間がかかったとしても飽きさせない演出をすることが出来ているからだと分析しております。また知名度の高い機種の続編が次々と登場していることもファンが定着している理由だと考えられます。次に低価貸しに関してですが、2011年の年末にかけてシェアの伸びが鈍化傾向にあり、今後は飽和していくと考えられます。今後の低価貸しは4円パチンコファンの流出先でなく4円パチンコの再生にどうつなげられるかの活用が重要だと思われます。またパチスロの低価貸しもファンのニーズの高まりに応じて緩やかに拡大していく傾向にあります。2011年6月に警察庁保安課より広告宣伝規制に関して再通達がありました。ただし現在(2012年6月)においても非常にグレーな表現や、有名人の来店をイベント告知のように扱うケースが散見されます。集客方法が大きな課題であることは間違いないですが、新台入替時の高粗利営業の常態化や期待を裏切るような集客イベントがファン離れの一因になっていることも否定できません。今後は失われつつあるファンの信頼の再構築が急務であります。DK-SISのデータは現在の業界やファンの動向を示す指標としての海図のようなものです。そのデータを集約した本白書を皆様方の経営戦略にうまく取り込んでいただき、皆様方、そしてこの業界がより良い方向に向かうよう活用していただければ幸いです。私はこの業界が国民の日常に楽しみを与えている産業だと誇りに思っています。1時間当たりの時間粗利も数百円からと他産業と比較して決して多くはありません。安心健全な遊びとして若者からお年寄りまで大勢に普段の暮らしの中でパチンコを楽しんでいただき業界がさらに発展することを祈念してやみません。ダイコク電機株式会社代表取締役社長栢森秀行