ブックタイトルDK-SIS白書2011

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概要

DK-SIS白書2011

第1章Chapter 122011年の業界考察DK-SISで見る業界動向?パチスロが5号機へ完全移行後、最高業績を更新2011年のパチスロ業績は、5号機へ完全移行後、最高の業績を更新した。パチンコの低迷が続く中、1台当たりの粗利もパチンコを上回るようになり、厳しい現状を支える存在となった。そのような中、時間粗利にはここ数年ほとんど変化が見られず、ファンの増加が粗利の向上に繋がる好循環となっている。また低価貸し営業、特に5円パチスロにおいても稼動時間が上昇しており、パチスロファンが着実に増加しているものと思われる。なお低価貸し営業については次項で詳しく考察する。パチスロが好調な要因として、4号機時代に人気を博した機種の続編が次々と登場し、ファンに受け入れられたことや、4号機時代のストック機を彷彿とさせる特定ゲーム数でARTに突入する機種の登場が挙げられる。次に販売台数に目を向けると、パチスロの好業績を反映して約117万台となり、昨年の販売台数約90万台を大きく上回った。また特定の機種に需要が集中し、数年ぶりに10万台以上販売された機種が複数登場したこともこれまでと違った傾向となっている。しかしながら機種貢献を見ると、平均稼動を下回るまでに遊技機購入費を償却できた機種は、2010年の約35%から約31%へと下落した。これまで以上に機種間の業績格差が大きくなっていると言え、導入機種の見極めが益々重要となっている。今後もしばらくはこの好調が続くものと思われるが、懸念材料としては2011年に入りファンの投資リスクである時間売上の上昇が挙げられる。これは全体的に出玉性能が向上しているためであるが、出玉性能さえ追求すれば投資リスクが上昇しても構わないという考え方は、必ずしもファンのニーズに合致したものではないと思われる。今後もファンのニーズを見失わず、バランスの良い機種構成が望まれる。?飽和しつつある低価貸し市場徐々に拡大を続けている低価貸し市場であるが、2011年の年末にかけてパチンコの低価貸し営業を行う台数シェアの伸びが鈍化傾向である。業績面においても、2011年はパチンコの低価貸し市場全体として下落傾向となった。また1円以外の貸玉料金を実施する店舗も増加傾向にあり、低価貸し市場は営業形態の多様化・競争激化が進んでいると言える。これらのことからパチンコの低価貸し市場が飽和しつつあるものと考えられる。増加→多様化→飽和の流れとなっており、今後においてはしばらく停滞した後、徐々に縮小していく可能性も否定できないと考えている。またパチスロにおいても低価貸し市場が拡大している。パチンコとは逆に、稼動時間が2010年と比較して上昇しており、現状においてはファンのニーズの高まりが感じられる。このような状況から考えると、前項でも記述したとおり、20円パチスロの投資リスクが上がりすぎることを懸念材料として捉える必要がある。ファンのニーズがあるところには市場が構築されるため、これらの市場を如何に収益に結びつけるかが重要である。元々低価貸し市場は、4円パチンコのみでは経営維持できなくなったホールがファンのニーズに応えたことで生まれてきた。ところが現状は、大手企業の参入もあり、低価貸しパチンコがファンのニーズ以上に供給され、4円パチンコがおろそかにされていると考えられる。特に本来4円パチンコを遊技できるファンまでもが低価貸しパチンコに流れているのは、業界にとって決して望ましい状況とは言えない。「低価貸し市場の拡大を4円パチンコの再生にどう繋げていくか」を、最優先に考14