ブックタイトルDK-SIS白書2011

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概要

DK-SIS白書2011

DK-SISで見る業界動向第1章一部機種(「海物語」シリーズ)を除き、ミドルタイプ・マックスタイプに匹敵する時間粗利となっている(52頁参照)ため、遊びやすさの面でファンのイメージとはかけ離れた活用となっている。そもそもライトタイプはマックス・ミドルタイプと比較して売上性能も低く、時間粗利がファンの勝率に大きく影響しやすいという傾向がある。ライトタイプは本来低価貸しパチンコへの流出を防ぐ防波堤の役割を期待すべきと考えるが、このような高すぎる時間粗利はファンの勝ち体験の減少に繋がり、ライトタイプが受け皿としての機能を果たしていないことが窺える。Chapter 122011年の業界考察ホールの利益を考えると出玉での還元には限界がある。ただ、行き過ぎた時間粗利によってファンが抱く「不満」が許容できるレベルを超えた場合、ファン離れが加速することは明白である。例えば期待しているスタート回転数より大きく下回る状況や、確率変動中に持ち玉が大幅に減る状況の発生等、ファンが「不満」を感じる要素は多種多様である。これらの「不満」を極力抑えることがファンの流出を防ぐ最低限のオペレーションであると考える。4円パチンコからのファン流出が止まらない状況が続いているが、4円パチンコの再生無くして業界全体の業績を向上させることは困難である。4円パチンコ再生のためには、現状の高すぎる時間粗利の改善とファンのニーズに合わせた遊技機構成の再構築が急がれる。特に2011年においてはライトミドルタイプの機種で人気となる機種が登場してきており、今後の地道な育成が望まれる。ライトミドルタイプについては次の項で詳しく解説する。?今後に期待の高まるライトミドルタイプ2011年においては、初期投資金額が比較的低いライトミドルタイプの遊技機で人気となる機種が登場した。過去にもこのタイプで注目度の高い遊技機が導入されたことはあったものの、人気となる機種は数えるほどしか存在せず、中々浸透させることが難しい状況であった。しかしながら高い人気を誇るAKB48とのコラボレーション機種である「CRぱちんこ銭形平次LM8」(京楽産業.)が2011年4月に登場し、非常に高い業績を残したことがターニングポイントとなり、その後ライトミドルタイプが注目を集めるきっかけとなった。実際にライトミドルタイプの2011年末時点における台数シェアは約15%となり、2010年末の3倍近くにまで増加した。確かに2011年12月に「CRぱちんこ必殺仕事人IV M7」(京楽産業.)が大量導入されたことによる影響が大きいが、2011年4月以降徐々に台数シェアを増やしてきた結果である。さらに業績面においても、2011年4月以降堅調に推移しており、ファンに受け入れられている状況と言える。これまで中々浸透しなかったライトミドルタイプの機種が、現在ファンに受け入れられている背景として、マックス・ミドルタイプを遊技していたファン層が移行してきていることが考えられる。また遊技機の性能面においても、マックス・ミドルタイプのように一度も大当たりせず「完封」されるケースは少なくなるだけでなく、期待以上の出玉感を構築できる機種が登場したこと、さらに短時間・長時間のどちらでもファンの選択で遊技できることも要因として挙げられる。ライトミドルタイプの好調な推移は、4円パチンコの現状における一筋の光明と言える。しかしながら、ライトタイプと同様に無理な粗利を追求する傾向が強くなっており、このような運用を続けていれば、ライトタイプの二の舞になりかねない。マックス・ミドルタイプ、またライトタイプの業績下落が止まらない状況が続いている中、ようやく浸透してきたライトミドルタイプの活躍を現状打破のチャンスと考え、中長期を見据えて育成していくことが望まれる。13