ブックタイトルDK-SIS白書2011

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概要

DK-SIS白書2011

DK-SISで見る業界動向第1章?東日本大震災発生、業界に多大な影響2011年3月11日に日本における観測史上最大規模となる大地震とそれに伴う大津波が発生し、東日本を中心とした広範囲の地域に大きな被害がもたらされた。特に岩手県から茨城県の沿岸部の店舗においては、津波による店舗自体の流出や浸水等により営業を続けることが困難となるケースも多く発生した。実際に2011年3月末時点でのDK-SISデータを見ると、データ送信台数は宮城県で震災前の約3割、岩手県で約7割、福島県・茨城県は約8割にまで減少しており、これら4県における店舗への影響は非常に大きいものとなった。Chapter 122011年の業界考察また、直接的な被害の小さかった店舗においても、ピーク時の電力需要が供給量を上回る可能性が懸念されたことから、東北地区・関東地区においては輪番停電が実施され、店舗においてもネオンの自粛、休業日の設定や営業時間短縮等の対応を迫られた。これら未曾有の被災状況に対し、全国からの義援金やボランティア活動等において、ホール企業・メーカー・各種組合等、業界全体を挙げた迅速な支援活動が広がり、業界のイメージアップに繋がった。その一方では、輪番停電まで行われる中で、電力消費の大きなホール営業が続けられていることに対する業界への風当たりが強くなり、営業しなければ経営が成り立たないこととのジレンマに悩まされる関係者の方も多かったのではないかと思われる。このように震災の発生により業界に対して非常に大きな影響があったものの、4月以降急速なピッチで復興が進み、DK-SISにおけるデータ送信店舗の状況によると、震災の被害が最も大きかった宮城県では4月末ではおよそ65%、5月末には80%以上の店舗が営業を再開した。また岩手・福島・茨城の各県においても、5月末でほぼ90%以上の店舗が復旧した。ただ、震災後の津波によって大きな被害を受けた福島第一原子力発電所では、大量の放射性物質が放出される大規模な原子力事故が発生し、福島県の原発周辺地域においては、なお現在も住民が長期の避難を強いられる状況となっている。この事故により全国的に原子力発電所の点検が長期化し、夏の電力需給が支えられないという恐れが全国的に発生した。このためパチンコ業界においても節電の要請が各地で強まり、各県における組合等の決定によって輪番店休を実施する地域が多く見られた。輪番店休の実施には賛否両論があったものの、全体的には店休を設けたことによる圧縮効果もあり、結果として業績全体に与える影響は当初思われていたよりも大きくはならず、設けた店休を店舗によって有意義に使うことができたという意見も多く聞かれた。東日本大震災発生から1年強が過ぎ、今もなお大きな爪痕が残る中、当業界においても防災対策や災害発生時の対応、当業界に対する世論の反応、各業界団体の意見集約のあり方等、様々な教訓が得られた。今後高い確率で予測されている、首都直下型地震、東海・東南海・南海地震や、それ以外の自然災害に対し、従業員だけではなくファンの誘導も想定した非常時のマニュアル作りや、災害時において避難場所として提供できるような施設としてのあり方を考える等、今回の教訓を活かした店づくりが必要である。本書においても、第1章7節で今回の震災に関するデータについてとりまとめを行った。ご参考になれば幸いである。?業界総粗利・遊技機利益が過去最低にDK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。その11