DK-SIS白書2010

DK-SIS白書2010 page 14/238

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第1章DK-SISで見る業界動向Chapter 122010年の業界考察4円パチンコの業績を大きく落とした要因として主に2つの可能性について考えてみる。まず1点目として、ここ数年4円パチンコの時間粗利が急激に上昇を続け、20....

第1章DK-SISで見る業界動向Chapter 122010年の業界考察4円パチンコの業績を大きく落とした要因として主に2つの可能性について考えてみる。まず1点目として、ここ数年4円パチンコの時間粗利が急激に上昇を続け、2010年には遂に1,000円を超えるに至ったことで、結果的に稼動時間に大きな影響を与えたことが挙げられる。4円パチンコを遊技するファンが平均的に使える金額が簡単に変化するものでないことを考えると、時間粗利の上昇が稼動時間の下落を招くことは至極当然とも言える。ここ数年時間粗利が上昇を続けていたが、稼動時間にはそれほど影響が無かった。これはパチスロ4号機から5号機への切り替えを機にファン移動がありパチンコファン総数が増加したことが要因だろう。その中では時間粗利増加によって間違いなく起きたであろう一人当たりの稼動減少や来店回数の減少は、かき消されてしまう。2010年になってここまでの稼動下落となったのは、時間粗利が稼動を維持できる限界レベルを超え、ファンの不満が顕在化した結果と見ていいだろう。2点目は、4円パチンコを遊技するファンのニーズから市場が徐々に離れつつある可能性が挙げられる。ここ数年、初期投資金額の高いマックス・ミドルタイプの遊技機の機種寿命が年々短くなっている。新台入替からの活用方法の問題も大きいが、これらのタイプの登場・増加ペースがファンのニーズを超え、行き過ぎてしまったことも一因ではないかと考える。確かにこれらの出玉性能は過去にファンが求め、業界がそれに答えてきたこと、またそれらが業界に利益をもたらしてきたことは事実である。しかしながら、それらの機種の寿命が短くなっているということは、「設置比率が高すぎる」、「ファンが離れつつある」、もしくはそれら両方が起こっていると考えることができる。出玉性能の高い遊技機の増加がファンのニーズを超え、皮肉にも業績を落とす結果となってしまったのは、おそらく過去にもなかったことであろう。以上、様々な要因を述べてみたが、これは間違いなく「業界側の自律要因」である。高すぎる時間粗利と出玉性能の高い機種の行き過ぎたリリースや設置比率増が、4円パチンコのファン離れを引き起こし、そのまま低価貸し営業・パチスロへのファン移動や、場合によっては完全にやめてしまうといった状況を生み出してしまったからだ。現状4円パチンコから低価貸し営業へのファン移動が起こっていることは明らかな事実である。しかしながら一旦このファン移動が起こった場合、ファンが4円パチンコへと戻ってくる事例は少なく、一方通行となっているということから、目先だけを考えて低価貸しを拡大させることは、将来得られるであろう利益を先食いしていることが懸念され、結局のところ本質的な問題の解決にはなっていない。やはり4円パチンコの再生こそが重要であり、4円パチンコ再生のためには、現状の高すぎる時間粗利の改善とファンのニーズに合わせた遊技機構成の再構築が必要なのではないだろうか。? 3年連続でライトタイプが貢献度No.1に2010年のパチンコタイプ別で寿命週・累計台粗利を集計すると、それぞれが最も高くなったのはライトタイプであった(96頁参照)。これは3年連続となるものであり、ライトタイプの貢献度(寿命週・累計台粗利)の高さは出玉性能の高さと業績貢献は必ずしも比例するものではないことを証明するデータでもある。ライトタイプの貢献度が最も高くなる要因は、1台当たりの台粗利そのものは3,400円程度と4円パチンコの平均値よりも低くなっているものの、寿命週が非常に長く、結果としてミドル・マックスタイプを上回る累計台粗利となっているためである。12