DK-SIS白書2010

DK-SIS白書2010 page 13/238

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DK-SISで見る業界動向第1章? 1995年以降初の業界総粗利4兆円割れDK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。その業界総粗利は、DK-SISによる2010年の推定値であるが、およそ3.92....

DK-SISで見る業界動向第1章? 1995年以降初の業界総粗利4兆円割れDK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。その業界総粗利は、DK-SISによる2010年の推定値であるが、およそ3.92兆円と1995年よりDK-SISで集計を開始して以来初めてとなる4兆円割れとなった。また2009年の4.27兆円からおよそ0.35兆円の下落となり、下落幅においても集計開始以来最大となった。業界総粗利はファンの総消費金額と等しいことから、これが大きく減るということは、「ファン1人当たりの消費金額の減少」・「ファン人口の減少」、この2つのどちらかもしくは両方が起こっていることになる。Chapter 122010年の業界考察これまでに発行してきたDK-SIS白書においては、「ファン1人当たりの消費金額」は消費の動向が変化していない(消費者物価指数にはそれほどの変化が無い)ことから一定であると考え、「業界総粗利の変化」=「ファン人口の変化」として捉えてきた。しかしながら、現在の市場環境は低価貸し営業が完全に市民権を得たことによって、ファンの「来店回数」や「滞留時間」・「消費金額」のバランスが大きく異なってきていると考えられ、「ファン1人当たりの消費金額」にも変化が生じている可能性が高い。しかしながら、DK-SISにおいてはこれらの詳細なデータを保有していない以上、「ファン1人当たりの消費金額」を仮に算出したとしても、これは信頼のおけるデータとは言えない。結局のところ、業界総粗利大幅下落の実態は把握できないが、「ファン1人当たりの消費金額の減少」、「ファン人口の減少」の両方の要因によって起こっている可能性が高い。ただ、明確なデータを示せないため、本DK-SIS白書においてはファン人口についての推定は行わず、今回は「業界総粗利が集計開始以来初めて4兆円を割れ、対前年で大幅に下落した」という事実をお伝えしたい。では、どうしてこのような結果を引き起こしてしまったのだろうか。最も大きな要因は、ほとんどのホールにおいて最も設置比率の大きい「4円パチンコの不振」にあると考える。「4円パチンコの不振」については次の項で詳しく考察を行いたい。他のほとんどのレジャー産業においても、様々なデータにおいて年々下落傾向であると言われているのは周知の事実である。本業界においても基本的な傾向に違いは無い。この傾向に歯止めをかけるための最も大きな鍵は「4円パチンコの再生」であろう。こちらについても4円パチンコの項で詳しく述べるが、「4円パチンコの再生」無くして業界の再生はありえない。そのために必要なことは何なのか、業界一丸となって考える必要があるのではないだろうか。?深刻さ増す4円パチンコの不振2010年は4円パチンコ全体の業績(1台当たりの稼動時間と粗利)が大きく落ち込み、結果として業界全体の業績と、先ほど述べた業界総粗利が大きく落ち込むということになった。実際に4円パチンコの業績を見てみると、稼動時間は4.3時間と過去5年間は5.0時間近辺で推移していたところからおよそ15%の下落、粗利も4,350円と前年からおよそ10%の下落となっている(21頁参照)。しかも2009年と比較して4円パチンコの台数シェアは減少しており、本来ならば時間粗利がほぼ同じであれば圧縮効果によって業績が向上するはずである。しかしながら実際には業績は大きく下落しており、このことは4円パチンコからのファン離れが確実に進行していることを物語っている。最も設置シェアの大きい4円パチンコの業績下落は、業界全体に与える影響が極めて大きい。11