DK-SIS白書2010

DK-SIS白書2010 page 11/238

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DK-SISで見る業界動向第1章22010年の業界考察Chapter 12?総括2010年の業界を総括すると、日本経済がリーマンショック以降徐々に立ち直りつつある中、業界全体としてはその波から大きく立ち遅れ、ここ10年で最悪とも....

DK-SISで見る業界動向第1章22010年の業界考察Chapter 12?総括2010年の業界を総括すると、日本経済がリーマンショック以降徐々に立ち直りつつある中、業界全体としてはその波から大きく立ち遅れ、ここ10年で最悪とも言える不況に突入した1年であった。中でも業界の根幹を支えてきた4円パチンコにおいては存亡に関わるほどの危機的な状況にある。2010年の業界考察業界の売上規模は、低価貸し営業の更なる普及による影響が大きく、2010年のDK-SISの推定値で約25.1兆円(対前年比?2.5兆円)と、5年連続の下落となった。またDK-SISでは粗利規模こそが業界を表す指標として最も重要であると考えているが、2010年は約3.92兆円(対前年比?0.35兆円)となり、2009年と比べて1割近くの減少となった(詳細は30頁参照)。なお、粗利規模がこれほどの大きな下落となったこと、さらに4兆円を下回ったことは、DK-SISで粗利規模について集計を行った1995年以降初めてである。これは業界にとって非常に憂慮すべき状況と言える。パチンコにおいては、1台当たりの稼動時間・粗利ともに対前年比で大幅な下落となった(詳細は20頁参照)。特に粗利は2009年と比較して10%以上下落となり、業界全体の粗利規模に大きな影響を与えた。パチンコ全体が不調となった大きな要因として、4円パチンコの時間粗利を上げ続けたため、稼動が減少し、結果として粗利確保できなくなったことが挙げられる。また、4円パチンコが低迷する中、低価貸しに活路を求めると言う状況が拡がり、低価貸し営業を行う店舗の比率がDK-SISにデータを頂いている店舗全体のおよそ80%に達した。しかしながら、パチンコ全体の稼動を押し上げるほどには至らず、結果として粗利規模減少につながった。パチスロにおいては、過去最悪と言える底這い状態であった2009年と比較して、稼動時間・粗利ともに大きく上昇した。これはパチスロ台メーカーの努力により遊技性が大幅に向上し、ファンに受け入れられた機種が増加したことが大きな要因と考えられる。完全に5号機となった2008年以降、パチスロは最高の業績となった。2010年のホール数は12,479店舗となり、減少傾向は10年以上継続している。ただし、低価貸し営業の増加もあり、2008年以降の店舗減少は緩やかになっている。2010年は新台販売台数が約290万台と2009年と比較して約2割の減少となり、パチンコ台メーカーにとっては、極めて厳しい1年であった。逆にパチスロは販売台数が約90万台で、2009年と比較して約3割の大幅な増加となり、2010年の業績が好調だったことを反映している。パチスロの販売台数は好調であったが、実際には一部のメーカーに販売が集中した。パチスロメーカーの多くは依然厳しい状況が続いている。2010年はホールにとって粗利規模が大幅に減少し、メーカーにとっても遊技機販売台数が伸び悩んだため、業界として非常に厳しい1年であった。この厳しい環境を業界自身が招いたことは紛れもない事実である。4円パチンコが衰退しては業界として成り立たない。しかしながら業界は4円パチンコの再生よりも低価貸し営業の拡大に目がいきがちである。まずは4円パチンコの遊技環境が本当にファンの望む姿になっているかどうかの検証こそが第一の課題であろう。今の遊技環境がニーズに合わないならば、ファンが離れていくのは自明である。業界全体一丸となって、ファン第一を考えた環境を再構築する必要があるのではないだろうか。9