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企画編

きっかけは一枚の写真だった。

パチンコというエンターテインメントに関わる企業としてダイコク電機は、私たちにとってエンターテインメントがいかに不可欠か、情報がいかに大切かを伝えるCMを発信したいと考えていました。加えて、エコロジーに対する企業姿勢も合わせて伝えたいと望んでいました。
その意向を受け、CMプランナーを中心にさまざまな企画が検討されますが、その結果として浮上してきたのが大自然の中のオアシス風景……というモチーフでした。

地球のかけがえのない美しさを改めて思い知らせてくれるような壮大な自然。抜けるような空。そして、そこに棲む生き物たちの懸命な姿……そうした意図を表現するのにオアシスは最適なように思えたのです。広大な空の下、小さなオアシスに喉を潤しにやってくるさまざまな動物たち……CMの制作者たちはそんなイメージを描きました。あえてたとえるなら、オアシスがエンターテインメントで水が情報です。

しかし、理屈はともかくCMである以上、そこに流れる映像は見る人の心を揺り動かすようなものでなければなりません。そんな映像が果たして撮れるだろうか……そう思い悩んでいたスタッフが出会ったのがアンデス高原で撮影されたという、ある一枚の写真。

そこには白川由紀という名前が撮影者として記されていました。

あそこを見ずにニンゲンやめられないよ。

紀行エッセイストにて写真家の白川由紀さん。
彼女がその場所に出会ったのは、南米旅行中に「ボリビアのウユニ、あそこを見ずにニンゲンやめられないよ」と聞かされたことがきっかけだったと言います。地球の「今」を感じたくて世界中を飛び回っている白川さんでなくても、そう言われたら心が動くにちがいありませんが、もちろん白川さんは何十時間もかけて現地を訪れます。

そこには小さなオアシスがありました。刻々と移り変わる空の下で、のんびりと水を飲むリャマたちの姿がありました。「そのリャマを見ているだけでなんだかとても幸せを感じてしまいました。なんて美しいんだろうって。で、気がついたらシャッターを切っていたのです」。

後に白川さん自身が「あのカットはまさに、私の心の奥底にしまってあった原風景と目の前の風景がぴったり重なり合った一枚でした」と振り返る、そしてCM制作者たちの心をも捉えた風景がこうして切り取られたのです。

アンデスの高原にある小さなオアシス。そこに集まるリャマたち……いろんな動物が集まるという最初の狙いとは異なりましたが、それを補って余りある魅力をその風景はたたえていました。こうして、その小さなオアシスをめざして、はるか南米へのロケが決定したのです。

ロケ編

白川由紀プロフィール

大陸横断家・紀行エッセイスト・写真家として、マスメディアではカバーしきれない地球の「今」を伝えている。
徹底した現場主義だからこそ伝えられる「生々しい体験」はまさに地球の鼓動を感じる。
文部科学省宇宙開発事業団衛星利用促進委員会委員、中央区ユネスコ協会会員。