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概要

DK-SIS白書2012

GREETINGはじめに日頃よりDK-SISをご愛顧いただき誠にありがとうございます。本DK-SIS白書もおかげさまで10冊目の発刊となりました。また、DK-SIS会員も2013年5月末現在で3,614会員となり、遊技機台数では約122万台と市場の27%にまでに至りました。これもひとえにホール企業様のご協力によるものであり、重ねて御礼を申し上げます。さて、2012年を振り返ってみますと、DK-SIS推測の業界総粗利は前年比1%減少の約3.78兆円で、2011年と比較してほぼ横這いに留まり業績を維持できているように見えます。しかしながら、2011年は甚大な被害をもたらした東日本大震災により営業日数が少なかったことを考慮すると、2012年の実態は数値で見えている以上に厳しくなっていると感じております。まずパチンコでは、「4円パチンコ」における時間粗利の上昇と稼動時間の減少という関係性は、もはや構造的な問題と言えるでしょう。特に、時間粗利の変動が勝率に影響を与えやすいライトタイプは、ミドルタイプと同等の910円(前年比+50円)にまで上昇し、稼動面では他のタイプの後塵を拝する結果となっております。やはり、今後「4円パチンコ」を再生していくには時間粗利と勝率の関係性をタイプ毎に把握し、ゲーム性を最大限に発揮できる活用へと改善していくことが必要だと思われます。一方では、2011年に5号機移行後の最高業績となったパチスロも、2012年の後半は業績が下落しておりますので、パチスロへの強すぎる業績依存を徐々に緩和させる必要があります。実際に「20円パチスロ」では、1ゲームあたりの純増枚数が3枚に近いART(AT)タイプが多く登場して出玉の瞬発力も向上しましたが、反面では投資リスクである時間売上が5,630円と前年比+500円の大幅増加となっているだけでなく、時間粗利も830円(前年比+70円)と4号機全盛の時代に近い数値まで上昇しております。そして、このような傾向が続けば、5号機移行後から数年かけて定着させてきたファンを手放してしまう可能性もありますので、できるだけ早くファンのニーズに合致した遊技機のバランスを再構築すべきと考えております。そのような中、パチンコ・パチスロともに低価貸し営業のシェアは増加を続けています。現状では4円パチンコ・20円パチスロの投資に耐えられなくなったファンの受け皿として機能していると思われますが、DK-SISデータやその他の媒体で発表されている数値から総合的に判断すると、ファン人口の減少傾向には歯止めがかかっているとは言えません。これから更なる高齢化社会を迎えるにあたり、高年齢者層に対するコミュニティの場として提供し来店を促すなど、ファン離れを抑止する施策も考える必要があります。また、業界の未来を考える上では、特に参加率が低い傾向にある若年層の取り込みも必要となります。低価貸し営業など含め、他の時間消費型のレジャーと比較しても魅力のあるレジャーであることを認知してもらうこと、地域貢献やコンプライアンス遵守により社会的なマイナスイメージを払拭させることなどを、若者から高齢者の方まで気軽に遊べる娯楽としての原点を忘れず、継続的に確実に取り組むべきと感じております。最後になりますが、DK-SIS白書は日頃よりDK-SISで閲覧できるデータをできる限り集約し、将来に残して行きたいという思いから作成を続けています。そして、過去を振り返るというためだけでなく、業績を上げるために将来を考えていく道しるべとしてお役に立てれば幸いです。この業界に携わっていくことを誇りに思うとともに、皆様方と業界全体が発展していくことを心より祈念しております。ダイコク電機株式会社代表取締役社長栢森秀行