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概要

DK-SIS白書2012

TRAILERあとがき今年はDK-SIS白書を発刊してから10年目と節目の年になりました。今回のあとがきを書くにあたり発刊当初の2003年版の白書を読み返してみましたが、「十年一昔(じゅうねんひとむかし)」という言葉のように、この10年でのパチンコ市場の大きな変化を感じました。皆様は本白書で2012年データを改めてご覧頂き、いかがでしたでしょうか。2012年は、従来の店舗運営のあり方を見直す年だったと言えるでしょう。これは、単に業績面の変動による見直しということではなく、従来の店舗運営に対して様々な通達が出されたことへ対応するための見直しです。実際、2012年に対応すべく運営の見直しが図られた内容は、通達自体が2011年に出されたものや2012年に再度通達されたものを含め、「適切な賞品提供(いわゆる一物一価)の徹底」、「貯玉再プレイの手数料と来店ポイントの運用関連」、「広告宣伝関連」等がありました。それぞれの内容について確認してみますと、「適切な賞品提供(いわゆる一物一価)の徹底」については、通達直後の徹底状況は全国で35%程度でしたが、その後は徐々に広がりを見せ、一部の地区では徹底の動きが鈍いものの、2012年末には75%にまで至っております。その結果として、パチンコ・パチスロの損益分岐は全ての低価貸しを含め10割営業に集中し、全国的に“損益分岐割数は画一化”する傾向となってきました。次に「貯玉再プレイの手数料と来店ポイントの運用関連」については、貯玉再プレイ時における手数料徴収の取り止めや、1日あたりの来店ポイントの上限などが通達されましたが、再プレイ時の手数料が徴収できなくなったことで10割分岐以外での営業が困難となってきたため、こちらも間接的に10割分岐営業の増加に繋がる内容となっております。次に「広告宣伝関連」については、2011年に出された通達に対して、隙をつくような間接的な表現が問題となり、2012年に具体的な事例を挙げるとともに再度通達された内容です。元々、出玉を意識させるようなイベントは多くの地区で日常的に実施されていましたが、今回の再通達によって“煽る告知による集客アプローチ”は困難となっております。そして、上記の通達は業界全体として遵守すべき内容であり、今まで実施できたことができなくなったからといって、反故にして良いものでは決してありません。集客をイベント等に依存してきた店舗ほど、スムーズに移行できないケースも散見されますが、グレーな表現を用いた告知などに頼れば頼るほど、業界に対する信用は失われていく可能性もあるため、実施できなくなった現状に対応していかなくてはなりません。現状では、2012年の通達内容も含め、店舗間の差別化要素は徐々に少なくなっており、業績面においても先行きに不安が残っております。そのような中で、今後は中長期的な視点に立った、ファンの不満を極力抑制させる遊技機活用が、他店との大きな差別化要素となってくるでしょう。単なる勝ち負けだけではなく、ファンが求める最低ラインの遊技機活用とは何かを考え、そのラインを下回らない品質を提供し続けることが重要になってくるものと感じております。最後に、期待していたものがその通りの結果にならなかったときこそ、変化に対応できる強い業界になるかどうかの分岐点になるのだと思います。今後も、更なる環境の変化に対して次の一手を打つ際に、市場の実態に最も近いデータベースであるDK-SISを濃密に集約した本白書が、皆様方のお役立てになれば幸いです。ダイコク電機株式会社DK-SIS室室長山岸義幸191