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概要

DK-SIS白書2012

Chapter 1第1章22012年の業界考察DK-SISで見る業界動向ルタイプと比較して時間粗利がファンの勝率に大きく影響する傾向があるため、時間粗利の上昇とファン離れには密接な関係があると考えられる。4円パチンコは低価貸しパチンコ以上にファンが出玉を求めていると思われるが、出玉が増加することとホールの利益は相反するものである。そのような中で、4円パチンコのファン離れを加速させないために、ファンの不満を軽減させることも意識すべきである。例えば、図柄が変動しない時間があまりにも長い、特賞アタッカーに玉が入りにくくフルオープンとなる、確率変動中に上皿の玉が無くなる等の不満要素はできる限り排除しなければならない。「ファンあってこその業界」であることを今一度見つめ直す必要があるのではないだろうか。?パチスロの業績が頭打ちに2012年のパチスロ業績を5号機完全移行後最高の業績となった2011年と比較すると、1台当たりの粗利は増加したものの、稼動時間が下落した。特に2012年の後半は、稼動時間の下落傾向が顕著となっており、ここ数年ほとんど変化が見られなかった時間粗利が大きく上昇した。これは、稼動時間の伸びがそのまま粗利に結びついていた2011年以前とは構図が変わり、業績の下落が続いているパチンコと同様の動きと言える。また2011年頃からファンの投資リスクである時間売上も上昇が続いている。現在の状況はパチンコが好調から低迷に転換した状況と似通っており、このままではパチスロもパチンコと同じ轍を踏むことになるのは明らかである。今後は疲弊したファンを回復させるためにも、遊技機バランスや活用を再考することで、時間売上・時間粗利の過度な上昇を食い止める必要があるのではないだろうか。? ART高純増タイプ登場によるパチスロ機市場の変化2012年のパチスロ遊技機動向であるが、ARTタイプ(DK-SISにおいてはATタイプもARTタイプに含めている)の機種において、1ゲーム当たりの純増枚数が3枚に近い機種が登場した。ここ数年好調を維持してきたARTタイプの機種において現行規則の範囲内でゲーム性・出玉性能を追求した結果、このような機種の登場に繋がった。そのような中、2012年においてもパチスロの時間売上が上昇を続けている。これは全体的に出玉性能が向上しているためであり、DK-SISで毎日掲載されるSIS新聞においても、日常的に高い最高MYデータが発生していることからも明らかである。この状況に一定の歯止めをかけるため、パチスロメーカーによる自主規制で、ART1ゲーム当たりの最大純増枚数が3枚未満に制限された。しかしながら、純増枚数が3枚近くとなった機種の業績を見ると、2011年までのような長期貢献となった機種は非常に少なく、必ずしもこれらの機種が成功するとは言えない状況となっている。つまり出玉性能さえ追求すれば投資リスクが上昇しても構わないという考え方は、必ずしもファンのニーズに合致したものではないと言える。これらの機種はパチンコで言うマックスタイプに近いものであると考えられる。現状は高い時間売上となっている機種ばかりが市場に投入され続け、著しくバランスを欠いた市場が形成されつ12