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概要

DK-SIS白書2012

Chapter 1?業界総粗利・遊技機利益の減少に歯止めかからずDK-SISで見る業界動向DK-SISでは業界総粗利こそが業界の規模を表す最も重要な指標であると考えている。DK-SISから推定される2012年の業界総粗利は、およそ3.78兆円(対前年比-0.04兆円)と2011年に引き続きDK-SISで集計を開始して以来最低を更新した。この業界総粗利はファンの総消費金額と等しいことから、「ファン1人当たりの消費金額の減少」と「ファン人口の減少」のどちらか一方、もしくは両方が起こっていることになる。ただ、どちらにせよファンから得られる金額の減少は業界規模の縮小を意味しており、業界にとっては厳しい現状が続いている。第1章22012年の業界考察業界総粗利減少の最たる要因は、最も設置比率の大きい4円パチンコの不振が続いているためと考える。4円パチンコの不振については次の項で詳しく考察を行う。また、業績が比較的好調に推移していた20円パチスロは、1台当たりの粗利が上昇したものの、設置比率の大きいパチンコの不調を補うには至っていない。また2012年の遊技機利益(推定される業界全体の新台購入費用を業界総粗利から差し引いた金額)は2.41兆円(対前年比-0.17兆円)と2011年に引き続き大幅な下落となり、こちらも集計を開始して以来最低となった。業界総粗利が減少する中、遊技機の総販売台数はパチンコ・パチスロともに増加した上に、平均の遊技機購入単価も上昇したことで、新台購入費用は大きく増加した。このような新台入替に依存した営業を行っている結果、慢性的な高コスト体質となっており、抜け出すことが非常に困難な状況である。以上のことに加え、様々な資料によるファン人口・売上規模等の業界関連の指標からも店舗の業績が悪化していることは明らかである。その対策として、少しずつでも新台依存度を減らすことや、低価貸し営業も含め自店の客層に見合った遊技機バランスを整えること等の積み重ねが重要である。業績不振の構造を断ち切るためにも、今すぐにでも対策を練り、実行に移す必要があるのではないだろうか。? 4円パチンコの業績下落が続く2012年の4円パチンコ1台当たりの業績を見ると、稼動時間3.9時間(前年比-0.2時間)・粗利4,083円(前年比-173円)と下落が続き、業界総粗利減少の最大の要因となった。4円パチンコの台数シェアは年々縮小しているが、その圧縮効果も見られず業績の下落が止まらない状況となっている。4円パチンコの不振は、2012年に1,050円となった時間粗利の上昇によるものと考えられる。時間粗利の上昇は、稼動時間の減少を招き、それに伴い新台の機種寿命も低下する。機種寿命の低下は、遊技機購入費用の増加に繋がり、これがさらなる時間粗利の上昇を招くという構造的な問題となっている。タイプ別に見ると、2012年は2011年と比較して特にライトミドルタイプの業績下落が顕著である。2012年8月に「CRぱちんこAKB48V8」(京楽産業.)が登場し、大量導入機種として長期貢献となったものの、それ以外にファンに受け入れられた機種が少なく、ライトミドルタイプ全体としては低調な業績となった。また、ライトタイプは時間粗利が910円(前年比+50円)とさらに上昇が続いたことでミドルタイプと同等となり、主要なタイプの中で最も業績が低くなっている。そもそもライトタイプはマックス・ミド11